「博報賞」
過去受賞者の活動紹介

第54回「博報賞」功労賞受賞
[広島県]樋口 正美(広島県立広島中央特別支援学校 指導教諭)

「自信をもって、自分を表現できる力」を育てる視覚障害教育
特別支援教育領域

 教員としての新採用時から、37年間にわたり視覚障害教育に邁進、特別支援学校(視覚障がい)や小学校の弱視通級指導教室での教育実践を広島県内のみならず、全国に発信し続けている。視覚に障がいがある子どもが地域の小学校で学ぶために必要な力は、子ども自らが見えにくい、見えないことを実感したうえで、自信をもって学習に取り組み、自分で判断して行動できることであるとした。その姿を目指して、子ども自らが体験する活動を用意したり、具体物、模型等の教材教具を個別に用意したりして、丁寧な教育実践を積み重ねてきた。
 研究活動においては、「視覚障害のある子どもへの授業づくり」を研究テーマとして、校内研究体制をマネージメントするとともに、他の教員と共に連携して取り組んできた。さらに指導教諭となってからは積極的に模範授業を行うなど、先導的立場から授業研究を推進してきた実績がある。
 県内はもちろんのこと、全国各地での研修会、講座等の講師、助言者等の経験も豊富であり、平成26年度以降、研究部通信「ニューとん」に定期的に執筆(現在までに117号)、平成27年度からは研究部長として、毎年の公開授業研究会を企画運営し、県内外からの多くの参加者が集まるなど、日本の視覚障害教育の専門性向上に貢献してきた。

弱視レンズの使用技術を高める指導をしている様子
弱視レンズの使用技術を高める指導をしている様子
点字を読む指導をしている様子
点字を読む指導をしている様子


※記載の所属・役職は、受賞当時のものです。



博報賞とは

「博報賞」は、児童教育現場の活性化と支援を目的に、財団創立とともにつくられました。日々教育現場で尽力されている学校・団体・教育実践者の「波及効果が期待できる草の根的な活動と貢献」を顕彰しています。また、その成果の共有、地道な活動の継続と拡大の支援も行っています。
※活動領域:国語教育/日本語教育/特別支援教育/日本文化・ふるさと共創教育/国際文化・多文化共生教育 など

その他の活動報告