「博報賞」
過去受賞者の活動紹介

第55回「博報賞」功労賞受賞
[熊本県]熊本市立芳野小学校

ふるさと芳野を誇る心情を育む夏目漱石を由来とした俳句活動
日本文化・ふるさと共創教育領域

 熊本市立芳野中学校との小中一貫校である芳野小学校は、地域について学ぶ「芳野学」を9年間の教育の柱として教育課程に位置づけています。その一環として郷土にゆかりのある夏目漱石を学び、俳句づくりを活性化させています。また、漱石の小説『草枕』の舞台となった郷土をウォークラリーで巡り、環境学習にもつなげる活動を続けています。漱石俳句活動は、「芳野学」の小学校全学年で取り組む学習活動の一つで、一貫校の開校前から小学校で取り組んでいたものです。年7回、漱石俳句週間を設け、特に10月には俳句に造詣の深い文化人を招聘し、児童の発達段階に応じた専門的な指導や助言を行い、上記の「漱石俳句ウォークラリー」を開催して学びのニーズに応えています。単純に俳句活動が目的でなく、「芳野学」でふるさと芳野を誇り愛情を育むことを目的とするために、校内の校務分掌には「『ことば』の心」部(徳育部)と位置づけています。また、職員会議では漱石俳句活動全体計画を共有し、共通理解のもと、新任教職員も協働できるよう継続を図っています。こうした児童を支える職員の持続可能な組織的な動きが、6年間を通して地域を誇りに思う心情を育てる教育につながっています。また隣接する玉名市立小天小学校にも、本校の取組を参考にした「草枕の道・俳句ウォークラリー」が開催され、その波及効果も確認されています。

【漱石俳句ウォークラリー】石畳の道で作句する児童
【漱石俳句ウォークラリー】石畳の道で作句する児童
【地域学習「芳野学」】作句につながる体験活動
【地域学習「芳野学」】作句につながる体験活動

※記載の所属・役職は、受賞当時のものです。

博報賞とは

「博報賞」は、児童教育現場の活性化と支援を目的に、財団創立とともにつくられました。日々教育現場で尽力されている学校・団体・教育実践者の「波及効果が期待できる草の根的な活動と貢献」を顕彰しています。また、その成果の共有、地道な活動の継続と拡大の支援も行っています。
※活動領域:国語教育/日本語教育/特別支援教育/日本文化・ふるさと共創教育/国際文化・多文化共生教育 など

現在、第56回「博報賞」の応募を受付中です!(応募受付期間:2025年4月1日~6月25日 ※財団必着)
詳細は博報賞のページをご覧ください。
*博報賞に関するお問い合わせ先
hakuhoushou@hakuhodo.co.jp (博報賞担当宛)

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