「博報賞」
過去受賞者の活動紹介

第55回「博報賞」功労賞受賞
[大分県]臼杵市立臼杵南小学校

伝統芸能の灯を地域につなぐ -棒術を教育課程に取り入れた実践活動の報告-
日本文化・ふるさと共創教育領域

 探究型学習の課題づくりとして、地域に伝わる棒術を4半世紀前の教職員が学習材として掘り起こすところから始まっています。2002年より教育課程に位置づけました。総合的な学習の時間の全体計画では、体験活動を通して地域から学ぶという部分で、米づくりや餅米販売と並び「新要流棒術、太鼓」を掲げています。高学年が学んだ棒術の演技は、低学年のあこがれとなっています。神社の春季祭で棒術を高学年が奉納したり、秋には運動会で太鼓と棒術の組み合わせで4~6年生が披露したり、子どもまつりや6年生を送る会など、学校行事において伝統芸能を紹介し、広く発表していく機会を設けています。児童は「新要流棒術愛護少年団」という社会教育団体として地域の方に指導を仰いでいました。しかし、その方が高齢で指導から退くこととなり、学校に残っているノウハウを用いて上学年が下学年に直接教える時間を設けました。これにより、児童の自覚と主体性や児童間の信頼感が高まり、積極的な学びの場となっています。市の調査結果では、自己肯定感が平均より8ポイント高くなり、地域ボランティアに参加したことがある児童が平均より17ポイント高くなっていると報告されています。

鳥越神社春季祭での棒術奉納の様子
鳥越神社春季祭での棒術奉納の様子
鳥越神社春季祭での集合写真
鳥越神社春季祭での集合写真

※記載の所属・役職は、受賞当時のものです。

博報賞とは

「博報賞」は、児童教育現場の活性化と支援を目的に、財団創立とともにつくられました。日々教育現場で尽力されている学校・団体・教育実践者の「波及効果が期待できる草の根的な活動と貢献」を顕彰しています。また、その成果の共有、地道な活動の継続と拡大の支援も行っています。
※活動領域:国語教育/日本語教育/特別支援教育/日本文化・ふるさと共創教育/国際文化・多文化共生教育 など

現在、第56回「博報賞」の応募を受付中です!(応募受付期間:2025年4月1日~6月25日 ※財団必着)
詳細は博報賞のページをご覧ください。
*博報賞に関するお問い合わせ先
hakuhoushou@hakuhodo.co.jp (博報賞担当宛)

その他の活動報告