活動内容
「わが町彦根」の良さを再認識するとともに、主体的に考え、行動できる児童に育てるために
校区には彦根城があり、総合的な学習の時間の学習素材として、城西学区の町並みや彦根城、井伊直弼公を取り上げ、彦根にまつわる自作地域教材『彦根に学ぶ』を道徳の資料として使うなど、彦根の町を愛する心を育むように取り組んできた。
2012年度には、総合的な学習の時間の再構築を図るべく、歴史遺産を学習の中心とし、ふるさとの自然に目を向けること、国際理解の視点で「ふるさと城西」のよさを再認識することを学習の中心に据え、取り組んできた。
3年生では、彦根城の旧城下町の現在の姿を見学することから学習を始める。その中で、「足軽屋敷」を見学することが彦根の遺産を調べる学習のきっかけとなる。また、江戸時代の町並みを再現した「キャッスルロード」について取材を通した学習を進める。それが地域を思うきっかけとなり、児童一人ひとりが観光客の集客方法を考えて、商店街振興会の方への提言となった。4年生は、国宝彦根城をその学習の中心に据え、各自が興味をもったことを調べ、グループでまとめた。そして、彦根城について調べたことを「ちびっこガイド」として一般観光客の方に発表している。5年生は、4年生のまとめを活かして、海外の姉妹校に彦根について英語で紹介したり、彦根城を取り巻く環境問題について学習を進めたりしている。6年生は「井伊直弼公の生き方に学ぶ」をテーマに、井伊直弼公の一期一会の心について調べた後、湖東焼きの茶碗を作り、茶道を体験する。また、国語科と関連づけた集大成として地域の狂言愛好会の指導のもと練習を重ね、「狂言」発表を行っている。
保護者、地域の人たち、観光客、海外の姉妹校などへ発表したり、提言したりすることを学習のまとめの段階で取り入れ繰り返してきたことにより、文化的、歴史的な遺産を継承しようとする思いや地域をより発展させたいという思いが、児童の伝えたいという意欲につながり、行動化することに向かわせている。
【写真】
彦根城で調べたことを一般観光客に紹介する4年生
審査委員より
最も身近にある文化財を核とした学習活動を全体的な教育課程に位置づけ、子どもたちの主体的な学びを重視しながら、心の教育、知的な学習、体験的学習、発展的な学習、ボランティア活動等とかかわらせて計画的・発展的に行っている。地域の学習を通して我が国のよさや文化の学習、国際理解・親善への学習へと発展させていることも高く評価できる。
プロフィール
滋賀県 彦根市立城西小学校(ひこねしりつじょうせいしょうがっこう)
【創 立】
1893年
【学校(団体)規模・活動参加人数】
○児童数 : 408名 ○クラス数 : 15 ○指導者数 : 23名