博報賞

活動タイトル

輝け!外国ルーツの子どもたちーエンパワーメント支援を模索してー

平田 輝子 (豊郷町立豊郷小学校 非常勤講師)

国際文化・多文化共生教育|功労賞| キーワード:滋賀県
平田 輝子 (豊郷町立豊郷小学校 非常勤講師)

活動内容

自国のことばも日本語も大切にするバリエーション豊富な生きた言語活動

受賞者は小学校教員の経験より、長きにわたって外国にルーツをもつ子どもたちや保護者の支援を継続している。また、自身でも海外に赴き、知見を広げながら、日本語指導の充実にエネルギーを注いできた。さらに、子どもたちの日本語の習得のみならず、日常生活や学校生活での適応にも視線を向け、「生きる力」の育成に奮励してきた。
特筆すべきは、「文字のない絵本に母語と日本語でお話をつくる」「谷川俊太郎氏の詩『生きる』の続きを考える」などの実践である。日本語の良さや遊び心も積極的に取り入れたユニークな活動であるとともに、日本語の習得のみに目を向けるのではなく、自国のことばも忘れずに大切にする子どもたちの気持ちに寄り添っているものだと言えよう。また、子どもたち同士のピア関係でのサポートを尊重し、「新1年生にお役立ちグッズをつくる」「地域のスピーチコンテストに朗読劇で出場する」などの実践は、上級生が下級生をサポートするだけではなく、日本語に長けている子どもが他のメンバーをサポートするなど、子どもたちのコミュニケーションスキルの向上にも大きな影響をもたらしている。
日本語の習得や、日本の学校での「できた!」という経験は子どもたちの自己効力感を支えるものになると確信できる。
【写真】
新出漢字まずは意味そして読み方と正しい字形を学ぶ

審査委員より

日本語習得を支援しつつも、母語も忘れずに大切にした実践が継続的に実施されており、これは、日本での適応だけではなく、子どもたちの自身のルーツへの誇りにつながっており、高く評価できる。また、子どもたちが習得した日本語を、日本の学校の中で活用する場を積極的に提供している点や、逆に日本の子どもたちに知ってほしい外国語に着目し紹介している点は、大変興味深い。外国にルーツをもつ子どもたちと日本の子どもたちとの自然な相互理解につながることが期待される。
27年間の丁寧かつ献身的なこれらの取り組みは功労賞に値する。

プロフィール

平田 輝子

【所属先役職】
豊郷町立豊郷小学校 非常勤講師

【活動開始時期】
1996年

【団体所在地】
滋賀県犬上郡豊郷町

○子どもの人数:全体20名(小学生16名、中学生4名)
○指導者:内部1名
○開催ペースやクラス数:1校あたり週4~9時間