博報賞

活動タイトル

探究的活動で地域の産業の価値や人とのつながりを広げる学校カリキュラム

上板町立高志小学校

日本文化・ふるさと共創教育|博報賞| キーワード:徳島県
上板町立高志小学校

活動内容

エシカル消費(作り手・使い手・地域三方よし)と持続可能な社会をめざして

2017年から、地域産業(農・畜産・酪農・養鰻業などの第1次産業と伝統産業の藍染め)の現代的課題への気づきと、その課題解決のための学びを実践。SDGsに取り組むゲストティーチャーを迎えた体験的・探究的学習を通して、地域の魅力や価値に気づくと共に、持続可能な社会の構築を目指す取り組みを行っている。
1~3年生は地域の人々との積極的な交流を中心に、4~6年生はエシカル消費をキーワードに学習・発信することで普及に努めている。4年生は農作物に焦点を当てて、規格外野菜の活用や食品ロス問題をテーマに活動。東京のレストランなどへの規格外野菜の提供や缶詰づくりを進めている。5年生は藍の葉を種から栽培し、染め直した古着や藍染め手づくりマスクなどの企画・制作・販売を通じて、6次産業化としての藍染めを体験する。6年生は地元の起業家と共に、第1次産業(金時豚やバナナなど)のブランド化や地産地消について学び、持続可能な社会を実現するための生き方を考えていく。
ICTの活用も積極的で、テレビ会議を通して遠方とのつながりも生まれている他、手づくりのマスクを口コミで販売し、完売するなど、子どもたちは県内外の人々からの支援を実感。答えのない課題に対して果敢に取り組むことの価値を知り、ふるさとを大切にする想いを強くしている。

【写真】
地元の藍染め工房にて、手づくりマスクの染色をする

審査委員より

総合的な学習の時間の目標を「地域産業理解と持続可能な地域づくり」「つくる責任・つかう責任」等の3項目に定め、各学年で地域に学ぶテーマを定めて活動に取り組んでいる。地域の産業を自分たちの食や消費に結びつけて学ぼうとしているところが、次の社会を創る世代として重要な点である。オンラインを活用してゲストティーチャーに学ぶことで、児童が自ら考えを伝え、課題を解決しようとする学習態度、自らの生き方を考える姿勢を生み出している。藍染めマスクづくり・販売により児童の中に育ったエシカル消費についての意識は、地域発地球規模の視点につながり、他の学校・地域での取り組みの参考となり得る。

プロフィール

上板町立高志小学校

【代表者】
中川 斉史

【役 職】
校長

【活動開始時期】
2017年

【団体所在地】
徳島県板野郡上板町

【HP】
https://renew.e-school.e-tokushima.or.jp/kamiita/es/takashi/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:123名
○指導者数:内部15名、外部10名
○協力者数(ボランティア等):20名
○開催ペースやクラス数:4・5・6年生中心で、総合的な学習の時間(週2時間)