博報賞

活動タイトル

「子ども詩の会」の長年にわたる啓発活動による児童詩教育実践普及

佐々木 豊

国語教育|功労賞| キーワード:大阪府
佐々木 豊

活動内容

詩のもつ力が、子どもや大人の生きる力を育む

44年以上にわたり、児童詩教育実践を行っている。大学時代から「大阪児童詩の会」の研究実践に参加し、小学校教諭となった後は、勤務地を活動拠点に児童・保護者を対象とした「池田子ども詩の会」を主宰。「池田子ども詩の会」は月1回、詩人や絵本作家、落語家、児童詩教育実践者などを迎えて開催され、詩をつくる楽しさ・親しみを得ると同時に、参加者が詩のもつ力を知り、あらためて関心を深める機会とした。 創作指導では、「大阪児童詩の会」で学んだ「五感を使って詩を書く」ことを実践。さらに、国語辞典に記載されていることばの意味を「憶える」のではなく、子ども自身がことばの意味を創作する「イメージ辞典」づくりにも、長期にわたって取り組んだ。
こうした実践的研究の積み重ねを通して、「国語科授業の本質的指導は、『憶える国語から考える国語』でなくてはならない」という気づきを得ると同時に、「詩は、子どもや大人を鼓舞する生きる力となる」ことを確信。小学校教員を定年退職した後も活動は継続され、2012年からは「関西子ども詩の会」として活動している。
堺市を中心に地域の児童、生徒、保護者、地域住民、教育関係者に呼びかけ、詩のフェスティバルを開催して、詩表現について感得する機会とするなど、息の長い取り組みを実現している。

【写真】
佐々木豊先生と書籍。左から「心のさんぽ」「あいうえおからのおくりもの」、手づくりの初版本「イメージ辞典」

審査委員より

先生は、「関西子ども詩の会」の活動など、長年、小学校教員として児童詩教育に取り組んでこられた。子どもの発想やイメージを大切にし、感動を意識化させ、のびのびと表現を開花させていく指導が注目される。児童詩の指導には、苦手な子など個に応じた指導、読解(鑑賞)と表現の連携、自発的な感動から表現への道筋のつけ方、交流のあり方など、創作指導としての種々の難しさがある。そうした課題はありつつも、根幹において重要なのは、児童詩への温かいまなざしであり、子どもの感動への寄り添いである。先生の指導で子どもたちの想いは、詩に結晶していく。

プロフィール

佐々木 豊

【所属先概要】
関西子ども詩の会 事務局(代表)

【活動開始時期】
1977年

【団体所在地】
大阪府豊中市

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:小学生相当3名
○指導者数:内部1名、外部1名
○開催ペース: 2カ月に1回(平均) ※コロナ禍のため2020年、2021年活動休止