博報賞

活動タイトル

共に学び合い言語文化を創造する国語学習の実践研究

習志野市立大久保小学校

国語・日本語教育部門|| キーワード:千葉県

活動内容

本校では、1968年度より全校を挙げて国語科の研究実践に取り組んできている。現在は、2007年度より「共に学び合い言語文化を創造する国語学習」を研究テーマに掲げて、古典や漢詩、俳句、短歌などを教材化し、授業作りに取り組んできた。
 また、昨年度からは、創作を中心にすえて「書くことの基盤としての読書活動の充実」を進めてきている。創作というと「自由に書く」というようにとらわれがちだが、「よい作品のよさ」をまねすることから、子どもたちの学びを進めている。そのことにより、本校児童は、読むことの楽しさの上に書く楽しさを重ねてきている。
 また「共に学び」という友だちとの共同学習を通じて、読み手は「書き手の意図や願い」を大事にして読み取り、また「書き手は読み手へ何をどう伝えるか」という意図を持って書くように、双方が「独りよがり」な作品づくりや読み取りにならないようにしている。
 子どもたちは、作品作りの各段階(創作メモを作る段階、作品を仕上げる段階、発表する段階)で、対話やコーチング、質問による自問自答や思考操作を取り入れた話し合いなど、さまざまな交流をしている。
 本校の研究実践は、もちろん子どもの国語科の学力向上を目指している。その成果として全国学力学習状況調査の結果において、全国平均を上回るという成果を得ることができた。
 しかしまた他方で、今日に至るまで営々として続いてきている本校の国語科研究は、子どもの学力向上を支える教師の授業力向上を目指すものである。
 現在、新規採用教員が続々と入ってきているが、本校においては、先輩教員が常に「いい授業をやって見せ」、後輩教員は「いい授業をまねして学ぶ」関係が脈々と受け継がれている。
 今後も、子どもの学力向上、そして教師の授業力向上を目指し、さらに充実した研究実践として継続していきたいと考えている。

【写真】
俳句創作に向け、写真から連想する言葉を出し合う子どもたち



審査委員より

>44年間継続して国語科の実践研究に鋭意取り組んできた実績が高く評価された。学習指導要領に基づき創意に富んだ単元開発を行い、日常の読書活動や言語環境を整え、それらを基盤として表現様式の転換を図る読み書きを連動させた創作学習、思考操作やコーチングなどを取り入れた対話活動により充実した成果を上げており、毎年の公開研究会や紀要などによる発信、地域の教育センターや国の教育行政などでの社会貢献の実績も評価された。

プロフィール

習志野市立大久保小学校

団体概要

【創立】
1873年

【団体の規模】
児童・生徒数:1,034名
クラス数:31
指導者数:62名