活動内容
保護者・地域との協働による、全校児童を主役とした多文化共生の学校づくり
全校児童約600名の横浜市立南吉田小学校には、外国籍もしくは外国にルーツをもつ子どもたちが6割近く在籍し、多文化共生教育に関する最先端の実践が継続されています。
例えば、ことばの実践としては、「夏休み国際読書会」があり、ここでは保護者ボランティアによる日本語絵本の読み聞かせだけではなく、日本語以外の絵本も対象となり、子どもたちが日本語も母国語も大切にする意識が涵養されています。また、各国の料理や遊び、スポーツなどを媒体とし、子どもたち同士のみならず、保護者同士のネットワークも構築される場が提供されています。保護者や地域から協力を得た後には、アンケートが実施され、子どもたちの「国や文化、言葉の違いを超えて、認め合う気持ち」や「思いやりの心」の変容を把握している点も特長の一つとなっています。
また、子どもたちが「異なること」を分かり合うべく、児童会を中心に複数の委員会で話し合い、年間をかけて創意工夫し、さまざまな活動に取り組んでいる点には目を見張るものがあります。そして、その背景には、多くの教員が培ってきた経験値やネットワークの奏功がうかがえます。
教員・保護者・地域による相互の協力が礎となり、子どもたちが主役で「笑顔でつなげよう南吉田」のスローガンを達成できる実践が蓄積されている活動です。
【写真】
運動会:国際色豊かな聖火リレー
審査委員より
子どもたちの活動を主眼に置きつつも、保護者の視点も取り入れ、学校の立体的なアセスメントがなされている点、外国から編入してくる子どもたちが安心して過ごせるような学校づくりが継続されている点は、心服するとともに、高く評価できます。今後、日本全国の学校で外国籍および外国にルーツをもつ子どもたちの受け入れが増えるのは想像に難くなく、南吉田小学校の実践が、十分に最適かつ基盤のモデルとなることが期待されます。引き続き、数々の実践が展開され、日本全国の子どもたちの笑顔につながることを願うばかりです。
プロフィール
横浜市立南吉田小学校
【代表者】
金子 正人
【役 職】
校長
【活動開始時期】
2010年
【団体所在地】
神奈川県横浜市
【HP】
https://www.edu.city.yokohama.lg.jp/school/es/minamiyoshida/
【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体600名(小学生600名)
○指導者:内部50名、外部10名
○協力者(ボランティア等):10名