博報賞

活動タイトル

本物の「ひと」「こと」「もの」に触れた体験活動 ~キラにこ3組大道芸~

手塚 裕美子 (横浜市立本町小学校 教諭)

独創性と先駆性を兼ね備えた教育活動|奨励賞| キーワード:神奈川県
手塚 裕美子 (横浜市立本町小学校 教諭)

活動内容

知識や経験を基に対話と練習を繰り返して学びを深める

地域で昔から親しまれている「野毛大道芸」に、子どもが興味・関心をもって調べたり実際に取り組んだりしたことにより、地域で大道芸を披露して観客に楽しんで笑顔になってほしいという課題を設定しました。その課題解決に向けた大道芸を披露できるように、探究的な学習の過程を連続的・発展的に繰り返した学習活動を1年間通して取り組んでいます。
 子ども一人ひとりが大道芸を練習するとともに、学級全体で他学年他学級の子どもに練習した成果を発表し、その感想を基に自分たちの大道芸の改善策を考えていくことを繰り返しました。はじめに、日頃の学校生活で関わりが深い5年生の感想を「芸や技」「表情」「見ている人」「その他」の視点で整理・分析し、特に大道芸をしているときの「表情」に対して課題意識を高めました。このことにより、大道芸を披露するために必要な「表情」が改善するように、見通しをもって練習し、その成果や課題を振り返り、練習に活かすことを繰り返しました。次に、同じ学年の3年生、最後に6年生の感想を基に、改善状況を明らかにして再び練習に取り組み、大道芸をしているときの「表情」を克服しました。そして、いよいよ地域で大道芸を披露し、保護者や地域の方から、たくさんの称賛をもらい達成感や充実感を味わいました。
 また、本物のひと、こと、ものとの出会いが体験活動を充実させ、学びを深めることから、大道芸のプロの方と効果的に関われるように指導上の工夫をした実践です。

【写真】
お客さんの目線になってプロのショーを見る

審査委員より

手塚教諭は、大道芸を教材化し、芸を磨くこと、コミュニケーション力をつけること、ショーの構成を考えることなどの資質・能力を明確化した総合的な学習の時間の単元を開発しました。また必要に応じて、子ども自身が何のために大道芸をしているのかと問い直す機会を設け、活動の目的を再確認させ自律的な学習者を育成しています。さらに地域や人との関わりが希薄化している現代において人と人とをつなぐための大道芸としている点が評価されました。

プロフィール

手塚 裕美子

【所属先役職】
横浜市立本町小学校 教諭

【活動開始時期】
2018年

【団体所在地】
神奈川県横浜市

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体34名(小学生34名)
○指導者:内部1名
○協力者(ボランティア等):3名