博報賞

活動タイトル

伝統芸能の灯を地域につなぐ -棒術を教育課程に取り入れた実践活動の報告-

臼杵市立臼杵南小学校

日本文化・ふるさと共創教育|功労賞| キーワード:大分県
臼杵市立臼杵南小学校

活動内容

伝統芸能の灯を地域につなぐ ―棒術を教育課程に取り入れた実践活動

探究型学習の課題づくりとして、地域に伝わる棒術を4半世紀前の教職員が学習材として掘り起こすところから始まっています。2002年より教育課程に位置づけました。総合的な学習の時間の全体計画では、体験活動を通して地域から学ぶという部分で、米づくりや餅米販売と並び「新要流棒術、太鼓」を掲げています。高学年が学んだ棒術の演技は、低学年のあこがれとなっています。神社の春季祭で棒術を高学年が奉納したり、秋には運動会で太鼓と棒術の組み合わせで4~6年生が披露したり、子どもまつりや6年生を送る会など、学校行事において伝統芸能を紹介し、広く発表していく機会を設けています。児童は「新要流棒術愛護少年団」という社会教育団体として地域の方に指導を仰いでいました。しかし、その方が高齢で指導から退くこととなり、学校に残っているノウハウを用いて上学年が下学年に直接教える時間を設けました。これにより、児童の自覚と主体性や児童間の信頼感が高まり、積極的な学びの場となっています。市の調査結果では、自己肯定感が平均より8ポイント高くなり、地域ボランティアに参加したことがある児童が平均より17ポイント高くなっていると報告されています。

【写真】
鳥越神社春季祭での棒術奉納の様子

審査委員より

高齢化や過疎化という時代において、地域と連携しながら「新要流棒術」を受け継ぐことは簡単ではありません。臼杵市は子どもを地域の財産ととらえて支援をしています。小学校の統廃合により、一部地区で伝承された技能を統合した全体の伝承文化ととらえ直しています。また「新要流棒術愛護少年団」として児童全員をメンバーとする社会教育団体として登録し指導を仰いでいます。さらに、途中指導者がいなくなると児童同士で教え合い、伝承を続けています。困難を乗り越えて、学校が地域と共に児童の自己肯定感の育成につなげている点が評価されました。

プロフィール

臼杵市立臼杵南小学校

【代表者】
後藤 裕之

【役 職】
校長

【活動開始時期】
2001年

【団体所在地】
大分県臼杵市

【HP】
https://syou.oita-ed.jp/usuki/usukiminami/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体18名(小学生12名、中学生6名)
○指導者:内部4名