博報賞

活動タイトル

ふるさと芳野を誇る心情を育む夏目漱石を由来とした俳句活動

熊本市立芳野小学校

日本文化・ふるさと共創教育|功労賞| キーワード:熊本県
熊本市立芳野小学校

活動内容

夏目漱石を由来とした俳句活動を通して、ふるさと芳野を誇る心情を育む

熊本市立芳野中学校との小中一貫校である芳野小学校は、地域について学ぶ「芳野学」を9年間の教育の柱として教育課程に位置づけています。その一環として郷土にゆかりのある夏目漱石を学び、俳句づくりを活性化させています。また、漱石の小説『草枕』の舞台となった郷土をウォークラリーで巡り、環境学習にもつなげる活動を続けています。漱石俳句活動は、「芳野学」の小学校全学年で取り組む学習活動の一つで、一貫校の開校前から小学校で取り組んでいたものです。年7回、漱石俳句週間を設け、特に10月には俳句に造詣の深い文化人を招聘し、児童の発達段階に応じた専門的な指導や助言を行い、上記の「漱石俳句ウォークラリー」を開催して学びのニーズに応えています。単純に俳句活動が目的でなく、「芳野学」でふるさと芳野を誇り愛情を育むことを目的とするために、校内の校務分掌には「『ことば』の心」部(徳育部)と位置づけています。また、職員会議では漱石俳句活動全体計画を共有し、共通理解のもと、新任教職員も協働できるよう継続を図っています。こうした児童を支える職員の持続可能な組織的な動きが、6年間を通して地域を誇りに思う心情を育てる教育につながっています。また隣接する玉名市立小天小学校にも、本校の取組を参考にした「草枕の道・俳句ウォークラリー」が開催され、その波及効果も確認されています。

【写真】
【漱石俳句ウォークラリー】石畳の道で作句する児童

審査委員より

ふるさとを愛する心情を育むために、地域にゆかりのある夏目漱石とその漱石が旅の途中で詠んだ俳句を学習活動としている点に独自性を感じます。中学と小中一貫校になる前の平成14年から俳句活動を継続していることで、小中9年間の「芳野学」の柱となっています。小学生の誰もが親しみやすく、親子で参加できるウォークラリーや外部講師の助言を受ける句会を開催するなど、学びのニーズに応える活動が多いです。児童は生き生きと活動を進めています。活動を持続可能にするために組織分掌を工夫し、新任教員の学びを重視した点も評価できます。

プロフィール

熊本市立芳野小学校

【代表者】
西釜 勝久

【役 職】
校長

【活動開始時期】
2002年

【団体所在地】
熊本県熊本市

【HP】
https://www.kumamoto-kmm.ed.jp/school/e/yoshino/index.htm

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体71名(小学生71名)
○指導者:内部12名、外部3名
○協力者(ボランティア等):20名
○開催ペースやクラス数:①漱石俳句の日(漱石俳句週間)年7回
            ②漱石俳句ウォークラリー(年1回)
            ③芳野子ども俳句歳時記発刊(年1回)