博報賞

活動タイトル

絵本を使った多文化理解教育・交流と母語・母文化の継承支援のための活動

NPO法人 おおさかこども多文化センター

国際文化・多文化共生教育|博報賞| キーワード:大阪府
NPO法人 おおさかこども多文化センター

活動内容

外国人家族の母語・母文化を尊重し、ことばを通した社会参加の広がりへ

NPO法人 おおさかこども多文化センターは、外国にルーツをもつ子どもの教育支援を幅広く展開しています。その中でも、外国にルーツをもつ子どもの母語・母文化を尊重し、多言語の絵本をツールとした「多文化にふれる えほんのひろば」の活動には重要な意味があります。外国にルーツのある子どもたちの多くはなんらかの形で日本語の壁にぶつかり、自分の母語を忘れたり、母語に価値を見いだせなくなってしまいます。そのような状況で、日本語に重きを置いた支援は広がりを見せるものの、母語・母文化に注目した活動は十分に広がっているとは言いがたいのが実状です。
 「多文化にふれる えほんのひろば」は、図書館、学校、他不特定多数の集まる商業施設など公共の場で外国につながる子どもと保護者が母語や母文化を披露し、交流する活動です。母語で読み聞かせをする保護者の姿を見て、子どもが自分もやりたいと母語に対する関心を高めたり、日本人の子どもや保護者が外国につながる子どもや保護者の母語・母文化に触れ、多文化に興味をもつきっかけとなっています。そこで生まれる交流は、外国につながる子どもや保護者の自己肯定感を高め、自信につながり、こうした出会いの場にまた参加しようという気持ちにつながります。
 子どもの持つ母語・母文化を強みとして捉える活動は、ことばを通してみなの笑顔をつなぎ、広がっています。

【写真】
日本の子も外国ルーツの子も共に楽しめる読み聞かせ

審査委員より

外国につながる子どもたちの母語や母文化の重要性は指摘されるものの、それを活かした活動はまだ十分に行われていません。そのような中、外国につながる子どもや保護者の母語・母文化を尊重し、それを活かして活躍できる場を公に設定し、交流の機会を生み出している点が高く評価されました。
幅広い活動において「多文化にふれる えほんのひろば」が他の活動とどのように関わるのか等も含め、全体像が発信されると、他団体が自身の活動と結節点を見いだし、波及効果が拡大していくことが期待されます。

プロフィール

NPO法人 おおさかこども多文化センター

【代表者】
濵名 猛志

【役 職】
理事長

【活動開始時期】
2012年

【団体所在地】
大阪府大阪市

【HP】
https://okotac.org/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体年間約800名(小学生約400名、中学生約50名、その他高校生約30名、幼児300名)
○指導者:内部8名、外部10名
○協力者(ボランティア等):50名
○開催ペースやクラス数:年4回~5回 会場の規模や内容により参加人数は異なる。研修会は大人のみ参加。