活動内容
教育・医療・福祉の連携による子どもの安全安心な学習環境の構築を目指して
平成元年頃から就学猶予や訪問教育の対象であった、経管栄養やたんの吸引等の「医療的ケア」を必要とする子どもの地域の養護学校(当時)等への通学による就学ニーズが高まっています。また、医療的ケア児が通学するには保護者の付き添いが求められてきました。平成9年開校の三重県立特別支援学校北勢きらら学園は、平成10・11年に旧文部省「特殊教育における福祉・医療との連携に関する実践研究」事業の対象校として、学校看護師と教員との協働による保護者の付き添いを必要としない学校教育の在り方に関する先駆的な実践研究を行い、その成果を全国に発信しました。その後も今日まで27年間継続して、医療・福祉機関との連携を強め、安全な学習環境の構築に努めながら、医療的ケア児の学習権の保証に向けた取組を行い、情報発信を行っています。また、国立特別支援教育総合研究所研究協力校となるなど、全国のモデル校となっています。医療的ケアの内容は個別化、複雑化し、より高度な看護の専門性が必要となっていることから、看護師研修の充実、教員による自主的な研修会や実践研究に取り組んでいます。近年、医療的ケア児は小中学校等にも在籍しており、学校看護師が地域支援に参加するなど、新たな特別支援学校のセンター的機能の役割も期待されています。
【写真】
気管切開の生徒が地域の梨園で梨狩りを楽しむ様子
審査委員より
令和3年に「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が施行され、学校設置者は、在籍する医療的ケア児に対し、適切な支援を行う責務を有することが明記されました。「適切な支援」について、平成9年の開校時は全国的に未整備でしたが、今日まで27年間継続して実践研究に取り組み、学校看護師と教員との協働による安全で安心な医療的ケア児とその家族の笑顔につながる教育へと発展してきました。先駆的取組の研究成果は、報告会や書籍等で積極的に発信を行うなど、全国の医療的ケアを実施する学校への波及効果は極めて大きい点が評価されました。
プロフィール
三重県立特別支援学校 北勢きらら学園
【代表者】
藤田 盛久
【役 職】
校長
【活動開始時期】
1998年
【団体所在地】
三重県四日市市
【HP】
https://www.mie-c.ed.jp/shokus/
【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体24名(小学生14名、中学生4名、その他6名)
○指導者:内部100名、外部10名
○開催ペースやクラス数:年間を通じて