博報賞

活動タイトル

創立以来「全クラス」が発表する「演劇発表会」の取り組み

金沢市立長田中学校

独創性と先駆性を兼ね備えた教育活動|博報賞| キーワード:石川県
金沢市立長田中学校

活動内容

創立以来75 年以上の伝統を誇る、全学級参加による「演劇発表会」の取り組み

学校創設期以降75年以上、全校を挙げて演劇発表会を継続してきた壮大な取り組みである。全校の全学級の生徒が、総合的な学習の時間を中核としつつ、特別活動や教科等を連動させた授業の中で、演劇活動に3年間にわたってスパイラルに取り組んでいる。コロナ禍においても、何度も演劇の意義に立ち返り、議論の末、中断することなく継続し、ライブ配信も整備した。
生徒たちは毎年、学級ごとに演目や役割分担を決め、半年以上にわたって活動を行う。役割分担の話し合いは勿論のこと、脚本の解釈や台詞の言い方などについて時には激しい議論を繰り広げながら、互いの意見を交換し舞台を創り上げていく。多くの生徒は、親や祖父母の世代から演劇について聞いて育ってきており「メッセージ性をどう伝えるか」を真剣に悩み、考え抜く。本番の演劇発表をやり遂げて、観客からの大きな拍手を受け取った際には、大きな達成感を味わう。演劇発表会は2日間にわたって実施され、本番を終えたあとも、観客や専門家からの評価も聞き、まとめと省察を行い、自己の生き方へとつなげていく。
これらの活動は、地域の小学校、県内演劇科高等学校や外部の専門家指導者、ボランティアスタッフの協力も得て行われており、まさに地域ぐるみで継承されてきた学校文化とも言える取り組みである。

【写真】
演劇発表会「本番」舞台上での白熱の演技の様子

審査委員より

学校創設以来75年以上にわたって、演劇発表会に取り組み続け、祖父母や両親の世代からの伝統が現在の生徒たちに継承されている点で、非常に価値ある伝統となっている。特に、学習の基盤となる言語能力やコミュニケーション能力を育成しながら、探究的な学習を継続させていく指導計画が高く評価された。近年では、演劇教育の価値が世界中で再評価されており、長田中学校の試みは古くて新しい全人教育の取り組みとして評価に値する。学校の人手不足や多忙化が進む中でも、この素晴らしい伝統が発展されていくことを期待したい。

プロフィール

金沢市立長田中学校

【代表者】
増江 雅人

【役 職】
校長

【活動開始時期】
1948年

【団体所在地】
石川県金沢市

【HP】
https://www14.schoolweb.ne.jp/swas/index.php?id=1720003

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体約820名(小学生約200名、中学生約600名、その他約20名)
○指導者:内部約40名、外部約3名
○協力者(ボランティア等):約30名
○クラス数:18クラス