活動内容
各教科・領域で学校図書館を活用して、生徒の主体的な学習を促し、深い学びや伝え合う力を育成
本校生徒は図書館の利用率は高いものの、読書への意欲や読解力に個人差が大きく、総じて選書の幅が狭く、また自分の思いや考えを表現することが苦手な生徒が多い、という傾向があった。そこで、主体的な学びを支えて言語活動の充実を図るため、「つなぐ」をキーワードに、全教職員の共通理解のもと、担任、教科担任、司書教諭、学校司書の協働による学校図書館活用教育を推進した。
●学校図書館を授業改善につなぐ(①教室とつなぐ...関連図書の展示や並行読書の薦め、②教科につなぐ...知識の活用につながる調べ学習やプレゼンテーション活動の充実)。
●学校図書館を校内とつなぐ(①行事につなぐ...学校行事前後のタイムリーな図書館掲示、②生徒会活動とつなぐ...専門委員会[学習委員会]の図書館活動の充実)。
●学校図書館を小学校や保護者・地域とつなぐ(①スキルをつなぐ...小学校と連携し、小中9年間の「情報活用能力指導の体系表」の作成と実践、②意識をつなぐ...教職員の情報共有、学校HPでの情報発信や市の小中学校校務用ポータルサイトへの情報提供)。
ついた力を活用する場として生徒会活動を位置づけ、生徒会専門委員会主催の生徒集会では、ビブリオバトル(書評合戦)、調べ学習とつなげたクイズ大会などを実施し、楽しみながら選書の幅が広がるように工夫している。また、常時活動としても「今日は何の日」関連図書の掲示、POPや読書ビンゴづくり、館内の新聞を使った注目記事の発信などを行っている。
このような活動により、生徒の主体的に学ぼうとする意欲が高まり、資料を有効に活用しながら課題を解決しようとするなど、調べる学習の質も向上し、思考力・判断力・表現力の向上をめざした、より深い学びにつながっている。図書館を利用する習慣も定着し、図書の貸出冊数も過去3年間、一人あたり年間30~40冊で推移しており、市内の中学生の平均を大幅に上回っている。
【写真】
まとめた内容を発表するプレゼンテーション
審査委員より
山間部の中学校で、生徒の国語力を高めることを目指して展開されてきた、学校図書館を核とする10年近い取組である。読書活動を通して学んだことを生徒たちが自分のことばで表現する実践も行われており、学校ぐるみの豊かな取組の成果を精力的に発信し、高い評価を得ている。山間部の小規模校という環境をむしろ強みとして生かし、生徒と教師とが協働しながら、ことばの使い手が育つ場を地道に築いてきたことの意義は大きい。
プロフィール
島根県 浜田市立弥栄中学校(はまだしりつやさかちゅうがっこう)
【代表者】
郷原 正継(ごうばら まさつぐ)
【役 職】
校長
【創立】
1968年
【勤務校所在地】
〒697-1122島根県浜田市弥栄町木都賀イ2735
TEL:(0855)-48-2239 FAX:(0855)-48-2647
E-mail:yasaka-j@hamada.ed.jp
HP URL:http://www.city.hamada.shimane.jp/www/toppage/1100000000058/APM03000.html
【学校(団体)規模・活動参加人数】
○児童・生徒数:34名 ○クラス数:4 ○指導者数:12名