博報賞

活動タイトル

国際理解教育の実践や、帰国・外国人児童の適応指導を通した国際性豊かな児童の育成

船橋市立葛飾小学校

国際文化・多文化共生教育部門|| キーワード:千葉県
船橋市立葛飾小学校

活動内容

 本校は、1977年度以来30年以上にわたり、全教職員で全校児童の国際理解教育、帰国・外国人児童の適応指導の研究を進め、「国際性豊かな児童の育成」を目指している。
(1) 全学年・全学級における国際理解教育の授業実践
 生活科・総合的な学習の時間を中心に、各教科等の学習において、全学年で課題に応じたゲストティーチャーを招き、学習段階に合わせた体験活動を豊富に取り入れている。子どもたちは、本物(専門家及び異文化)と触れ合うことにより、知識を活用し、価値に気づいたり、考えを深めたりする学習をすすめている。まとめたことを自分の言葉で表現する力も身につき、他の学習にも生かされている。
(2) 帰国・外国人児童の適応指導
 日本語教室では、JSLカリキュラムの授業実践に取り組んでいる。トピック型、教科志向型のいずれでも直接体験したことを子どもたちが個々の日本語の力でまとめたり発表したりする活動を行っている。学び方の習得により、教室での学習に自信を持って取り組む姿がみられるようになった。
(3) 実践的コミュニケーション能力を育成する英語活動
 船橋市が英語特区であることを生かして、外国語指導助手、英語指導コーディネーターの協力により、小中9年間を見通した独自のカリキュラムを開発し、実践している。挨拶や簡単な会話を日常的に話すことで、英語に慣れ親しむようになってきた。授業形態を工夫することにより抵抗がなくなり、積極的に学習に参加している。
(4) その他
 保護者、地域の方も本校では、国際理解教育を実践していると認識し、授業においても様々な場面で協力を得ている。帰国・外国人児童保護者会(インターナショナルPTA)では、ワールドフェア等を開催し、海外経験を生かした取り組みをし、児童が異文化理解を深める機会になっている。
 今後も「新たな時代における児童に必要な国際性とは何か」を探り、各教科等の中で国際理解教育の視点でカリキュラムの再編を行い、授業実践を中心に研究に取り組んでいきたい。

【写真】
インターネットを利用したユニセフ協会との遠隔授業



審査委員より

1977年以来、国際理解教育を基軸に、教職員はもとより、保護者、地域人材・諸団体、ボランティア等、学校外との協働を実現し、「帰国子女」、帰国・外国人児童への指導を生かしつつ、全校児童の異文化理解、他者理解、共生のための教育に組織的に取り組んできた。継続的でしかも社会状況の変化に即する本校の国際理解教育は、地域のセンター校としても一層の発展が期待できる。

プロフィール

【創立】
1892年

【団体の規模】
・名児童・生徒数:1,443名
・クラス数:44
・指導者数:82名(教員55名 他職員27名)