活動内容
知徳体のバランスのとれた生徒の育成、諸活動への主体性と意欲を持った自己表現力豊かな生徒の育成は、生徒及び地域の実態から、山間の小規模校(準へき地指定)である本校の長年の課題である。
2003・2004年度文部科学省・県教委研究指定「国語力向上モデル事業」の推進にあたって研究主題を「話し言葉を磨く指導の工夫」と設定し、教職員は、さみどり部会(知育)、さわやか部会(徳育)、すこやか部会(体育)の3部会に分かれ、全教育活動の中核に「表現力を高める指導」を据えて全校態勢で取り組んできた。国際化・情報化の時代にあって、表現力の向上を図り、人間関係力を高め、諸活動への意欲と充実を図ろうとしたものである。
人前で話すことに慣れさせ、表現力の向上を図る具体的な取り組みに全校スピーチ(週2回の全校朝礼のうち、1回は全生徒のスピーチ、もう1回は全教職員によるスピーチ)がある。当初朝の読書への取り組みと連動させて読書スピーチとし、スピーチ原稿を読み上げることから出発したが、段階的に改善してきた結果、現在では聞き手を意識して自ら伝えるべき価値のあるテーマや材料を見つけ、原稿を見ずにスピーチしている。聞き手を育てる指導、スピーチの評価指導も行ってきた。挨拶運動やプロのアナウンサーによる話し方指導、さらに演劇やダンス・パフォーマンスを取り入れた表現教室は、生徒の自己解放を促し、表現力及び表現への意欲を大きく向上させてきたと言える。
国語科における話す・聞くこと及び書くことの指導を基盤にし、総合的な学習の時間におけるコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力、情報活用能力の育成を図り、総合基礎国語を設定し、また各教科との連携を進めるとともに、教職員の協働的指導体制を築き、教職員自身の表現力の向上、積極的な情報発信にも努めてきた。一連の表現力向上の取り組みは生徒の諸活動を活性化し、作文やスピーチコンテスト、各種検定に顕著な成果を上げ、国際的コミュニケーションへの意欲を高めた。
【写真】
福祉・ボランティア体験学習の成果をポスターセッションで発表
審査委員より
知・徳・体のバランスのとれた自己表現力の向上を目指した実践で、学校全体で取り組む国語力向上プロジェクトやアメリカの中学校との交流などを通して成果を上げている。全校スピーチ、PISA型読解力の育成、総合的な学習の時間でのコミュニケーション能力・プレゼンテーション能力の育成などの取り組みを継続している。
プロフィール
【創立】
1987年
【団体の規模】
・児童・生徒数:91名
・クラス数:5
・指導者数:17名