博報賞

活動タイトル

異学年のプロジェクト単位で行う体験学習を中核とした自由な学校づくり

学校法人 きのくに子どもの村学園

教育活性化部門|| キーワード:和歌山県

活動の目標・方針

さまざまな病理現象をかかえる現代の学校教育の問題点を克服するための新しい教育の在り方を提唱して、その成果を教育界に発信する。

活動内容

1992年に学校法人の認可を受け小学校を開校、その後、中学校、高等専修学校が開校した。「教科の壁」「学年の壁」「子どもと教師の壁」「地域社会との壁」「職員間の壁」といった壁のない学校、壁の低い学校である。現代の子どもたちが得にくい「感情面の開放」、「創造的知性」、自立した子ども同士が欲求を調整して経験する「共に生きる喜び」という3つの側面を満たすことによってこそ、自由な子どもを育てられるという点を基本的な考え方としている。
これらを実現するために、きのくに子どもの村では、自己決定、個性化、体験学習を学習形態の3原則とし、子どもたちがテーマを見て自分の所属を決める「プロジェクト」、建築工事を題材にして三平方の定理やルートの学習に及ぶなど、本物の仕事を中心に据えた体験学習等、子どもたちの好奇心や自発性を育てるユニークで新しい学習形態を多方面で展開している。



審査委員より

本校は子ども中心の教育の理想像を高く掲げ、20年にも亘り、具体的な学校づくりを行ってきた。自己決定と自己選択、個性化と学習の多様化、体験学習の重視などの方向性と、それを具現化するプロジェクト学習その他の実践のあり方も興味深い。既に多くの成果を挙げており、「もう一つの学校」のあり方に多くの価値ある示唆を与えてくれている。

プロフィール

学校法人 きのくに子どもの村学園

団体概要

【創立】
1992年

【団体の規模】

■児童・生徒数
・きのくに 小 90  中 45  高 45
・かつやま 小 60  中 30   
■クラス数
・きのくに 小 6  中 3  高 3
・かつやま 小 6  中 3   
■指導者数(専任常勤教員)
・きのくに 小 9  中 8  高 5
・かつやま 小 4 中 5  

主な著書・論文・文章など

1994年 「きのくに子どもの村-私たちの小学校づくり」 堀真一郎 ブロンズ新社
1997年 「自由学校の設計-きのくに子どもの村の生活と学習」 黎明書房
1998年 「自由学校の子どもたち-きのくに子どもの村の面白い人たち」 黎明書房
2002年 「体験学習と子どもの成長」 きのくに子ども村学園