プログラム参加者の声
日本校教師インタビュー
全ての教職員と全ての生徒がこの体験を共有する個人の体験で終わらせない仕組みづくり。
宇都宮市立星が丘中学校 増山 孝之 主幹教諭(当時)
-
-
選抜を通して求める力をつけていく
このプログラムについて最初に話を聞いた時に、「これは是非うちの生徒に参加させたい」と思いました。学校全体で様々な海外交流を体験できる機会は意外に少ないこと、プログラムにかかる費用や海外校へのアプローチは博報財団が負担してくれること、本校の「国際感覚に秀で、思いやりのある生徒を育成する」という教育目標を実際の行動に移せること、以上3点に大きな魅力を感じたからです。
いざプログラムがスタートすると、「国内交流」の合宿・ホームステイと「海外渡航」に参加する子どもたちの選抜から始まり、各プログラムへの参加、事後の指導、学校への還元...こうして振り返ってみると、まる2年がかりの非常にボリュームの大きな、充実した仕事でした。
この流れの中で私が最も困難を感じたのは、各プログラムに参加を希望する子どもたちの選抜です。基本的には「正しい日本語によるコミュニケーションがきちんとできる」「物怖じせずに人前に出て活動できる」という2点を大きなハードルとして課しました。しかし、予めこれらを兼ね備えた子どもを選び出すということではなく、「選抜の過程とプログラム全体を通して、これらの能力を身につける」ことが狙いです。そのため、選抜には2か月という時間をかけて、じっくりと子どもたちの可能性を見極めるようにしました。 その結果、このわずかな期間に子どもたちは目に見えて変化していったのです。
「実行委員会」を組織し関わりを持たせる
また、「国内交流」や「海外渡航」に応募したものの残念ながら選にもれた子どもたちに声をかけて、「実行委員会」を組織しました。せっかく意欲をもって手をあげた子どもたちに、「たとえ合宿や海外渡航に参加できなくても、様々に得るものがある」ということを知ってほしかったからです。実行委員の子どもたちは、海外校生徒たちのプロフィールやそれぞれの国の情報を調べて校内に掲示するなどの受け入れ準備や、当日の案内などで活躍し、人を動かしたり物事の段取りをしたりという有用な経験ができました。
「落選した時は、実行委員なんてつまらない...と思ったけれど、参加して良かった!」というのが子どもたちの素直な言葉。実行委員のメンバーたちは、この体験を通して確実に成長したように思います。
一番大切なことは「全校参加」と「還元」
当校では「全校参加」を目指すため、全てのプログラムの中でも「学校訪問」で海外校の生徒たちを迎えることに重きを置きました。「国内交流」の合宿や「海外渡航」に参加できなかった生徒たち、直接引率しない教職員たちも、全員が海外校との接点をもつことができるよう計画したのです。
「学校訪問」では、授業を担当する教職員に「何かを作らせて終りという授業にするのではなく、必ずコミュニケーションをとってください」とだけお願いし、あとは全てお任せしました。クラスごとに知恵を絞って趣向を凝らした授業となったと思います。そのおかげで、海外校の先生方にも好評を博し「おもしろかった」と言っていただけました。迎えた当校の教職員は大変だったと思いますが、修了後は「なかなかできない体験ができて良かった」という感想が大半を占めました。当校では「思考・判断・表現」の力をどう身につけさせていくのかをテーマに研究を行っていますが、今回のプログラムは良い研究材料になったのではないでしょうか。
また、当校では海外渡航が無事に済んで終了ではなく、「体験したことを学校全体に還元する」ということを命題として定めています。プログラムに参加した子どもたちには「壁新聞」や学習発表会などで自らの体験を発表させ、どんな体験をし何を得たかを全校で共有しました。
この体験の共有によって刺激を受けた子どもたちは、きっと今後の人生においてチャンスを見つけ、積極的に挑戦してくれるだろうと期待しています。
全ての教職員と全ての生徒がこの体験を共有する個人の体験で終わらせない仕組みづくり。
宇都宮市立星が丘中学校 増山 孝之 主幹教諭(当時)
-
-
選抜を通して求める力をつけていく
このプログラムについて最初に話を聞いた時に、「これは是非うちの生徒に参加させたい」と思いました。学校全体で様々な海外交流を体験できる機会は意外に少ないこと、プログラムにかかる費用や海外校へのアプローチは博報財団が負担してくれること、本校の「国際感覚に秀で、思いやりのある生徒を育成する」という教育目標を実際の行動に移せること、以上3点に大きな魅力を感じたからです。
いざプログラムがスタートすると、「国内交流」の合宿・ホームステイと「海外渡航」に参加する子どもたちの選抜から始まり、各プログラムへの参加、事後の指導、学校への還元...こうして振り返ってみると、まる2年がかりの非常にボリュームの大きな、充実した仕事でした。
この流れの中で私が最も困難を感じたのは、各プログラムに参加を希望する子どもたちの選抜です。基本的には「正しい日本語によるコミュニケーションがきちんとできる」「物怖じせずに人前に出て活動できる」という2点を大きなハードルとして課しました。しかし、予めこれらを兼ね備えた子どもを選び出すということではなく、「選抜の過程とプログラム全体を通して、これらの能力を身につける」ことが狙いです。そのため、選抜には2か月という時間をかけて、じっくりと子どもたちの可能性を見極めるようにしました。 その結果、このわずかな期間に子どもたちは目に見えて変化していったのです。「実行委員会」を組織し関わりを持たせる
また、「国内交流」や「海外渡航」に応募したものの残念ながら選にもれた子どもたちに声をかけて、「実行委員会」を組織しました。せっかく意欲をもって手をあげた子どもたちに、「たとえ合宿や海外渡航に参加できなくても、様々に得るものがある」ということを知ってほしかったからです。実行委員の子どもたちは、海外校生徒たちのプロフィールやそれぞれの国の情報を調べて校内に掲示するなどの受け入れ準備や、当日の案内などで活躍し、人を動かしたり物事の段取りをしたりという有用な経験ができました。
「落選した時は、実行委員なんてつまらない...と思ったけれど、参加して良かった!」というのが子どもたちの素直な言葉。実行委員のメンバーたちは、この体験を通して確実に成長したように思います。一番大切なことは「全校参加」と「還元」
当校では「全校参加」を目指すため、全てのプログラムの中でも「学校訪問」で海外校の生徒たちを迎えることに重きを置きました。「国内交流」の合宿や「海外渡航」に参加できなかった生徒たち、直接引率しない教職員たちも、全員が海外校との接点をもつことができるよう計画したのです。
「学校訪問」では、授業を担当する教職員に「何かを作らせて終りという授業にするのではなく、必ずコミュニケーションをとってください」とだけお願いし、あとは全てお任せしました。クラスごとに知恵を絞って趣向を凝らした授業となったと思います。そのおかげで、海外校の先生方にも好評を博し「おもしろかった」と言っていただけました。迎えた当校の教職員は大変だったと思いますが、修了後は「なかなかできない体験ができて良かった」という感想が大半を占めました。当校では「思考・判断・表現」の力をどう身につけさせていくのかをテーマに研究を行っていますが、今回のプログラムは良い研究材料になったのではないでしょうか。 また、当校では海外渡航が無事に済んで終了ではなく、「体験したことを学校全体に還元する」ということを命題として定めています。プログラムに参加した子どもたちには「壁新聞」や学習発表会などで自らの体験を発表させ、どんな体験をし何を得たかを全校で共有しました。
この体験の共有によって刺激を受けた子どもたちは、きっと今後の人生においてチャンスを見つけ、積極的に挑戦してくれるだろうと期待しています。