博報賞

活動タイトル

北広島町全体の学校で取り組む児童生徒自画像展

北広島町教育委員会

日本文化・ふるさと共創教育|功労賞| キーワード:広島県
北広島町教育委員会

活動内容

自画像を描くことで自己を見つめ直す―町で生まれた近代画家の学びを通して

町の教育委員会として、日本文化・ふるさと共創教育の領域に応募している珍しいケースです。少子高齢化が加速する地域は児童生徒の人数も年々減少しています。
北広島町も同様のため、町はふるさと夢プロジェクトを平成27年に構想し、さまざまな取組を進めてきました。ふるさと教育の一環として北広島町出身の近代画家「靉光」を学習材としています。「靉光」の晩年の自画像作品は3つありますが、これらは日本近代洋画の自画像の最高傑作と言われています。「靉光」というふるさとの偉人について学ぶ機会を増やし、町内小中学校および高等学校の児童生徒が継続して自画像を描く「靉光記念北広島町児童生徒自画像展」を現在まで継続しています。児童生徒が提出した作品数は、現在までに2万点を超え、町の体育館で審査を行い、入賞作品30点が毎年町の各地域や広報紙を飾ります。町全体で取り組むこの「靉光記念北広島町児童生徒自画像展」は現在まで10年以上取組を継続しています。町内の公立義務教育学校はすべて、また公私立高等学校は部活や専門課程で取り組むようになっています。児童生徒が自分と向き合い、自分の思いを表現する中で、主体的な課題解決力や表現力を育むことができています。偉人に思いを馳せ、自分自身も生まれ育った故郷を誇りに思いながら生きていく力を育むオリジナルな活動です。

【写真】
鏡を見ている児童の様子

審査委員より

北広島町の児童生徒は、毎年美術や図画工作の時間に、自分を正面から見つめ、自画像を描いています。年々変化する自分を見つめることで、自らの成長へ肯定的な見方を高め、その足跡での人々への感謝の気持ちを深めています。自画像とは、このように単なる絵画の技法的な結果だけでなく、自分自身をふりかえり、多様な思いを表現した結果の作品だと気づかされました。継続して描く児童生徒の心底には、ふるさとが生んだ「靉光」という画家への誇りが生まれることでしょう。偉人を通して歴史的背景まで学んだからこそ分かる郷土愛があると拝察しました。

プロフィール

北広島町教育委員会

【代表者】
増田 隆

【役 職】
教育長

【活動開始時期】
2007年

【団体所在地】
広島県山県郡北広島町

【HP】
https://www.town.kitahiroshima.lg.jp/site/kyoiku/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体1,108名(小学生相当706名、中学生相当345名、その他57名)
○指導者:内部24名、外部1名