活動内容
写す「鏡」・つながる「絆」・世界を知る「窓」――川柳で人と出会い続ける実践
俳句と同じく連歌から派生した、より柔軟な文芸様式である川柳を使いながら、子どもたちの表現力・理解力を育て、ことばを介したつながりをつくり出す教育実践です。川柳というジャンルのもつ柔軟性と可能性を活かして、自分のことばを吟味し、思いを伝え合うツールとして、学習者の一人ひとりが受け入れ、実践しています。
自分の身の回りで生じた出来事や見聞きした事象の意味を、子どもたちがことばによって発見する営みが学校の内外で展開され、ことばの力とことばによるものの見方・感じ方が育まれていく実践には見応えがあります。年間を通して、国語科授業で川柳を学ぶだけでなく、それを使って学校スローガンの提言を行ったり、係活動に取り入れたり、総合的な学習の時間に句会を実施したりする活動が計画的に行われてきました。年度末には、子どもたちがつくった川柳を学校外の大会に投句し、社会的に高い評価も受けています。
連歌・俳句の規律や約束事にとらわれない比較的自由な文芸様式としての川柳のもつ大衆性を活かしながら、社会性を帯びた教育活動の軸として展開されているところには今日的な教育的意義があります。ことばが自分を映す「鏡」にも、人とつながる「絆」にも、世界を知る「窓」にもなることを教える実践です。
【写真】
学級(4年生)で行った句会の一場面
審査委員より
柔軟な文芸様式である川柳を使いながら、子どもたちの表現力・理解力を育て、ことばを介したつながりをつくり出す教育実践です。自分のことばを吟味し、ことばによって思いを伝え合うツールとして、学習者の一人ひとりが川柳を受け入れていることが資料から伝わってきました。自分の身の回りで生じた出来事や見聞きした事象の意味を、子どもたちがことばによって発見する営みが学校の内外で展開され、ことばの力とことばによるものの見方・感じ方が育まれていく、その実践には見応えがあります。ことばが自分を見つめる「鏡」にも、人とつながる「絆」にも、世界を見つめる「窓」にもなることを教える実践です。
プロフィール
石川 正明(横浜市立吉原小学校 教諭)
【所属先役職】
横浜市立吉原小学校 教諭
【活動開始時期】
2017年
【団体所在地】
神奈川県横浜市
【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体33名(小学生33名)
○指導者:内部1名
○開催ペースやクラス数:自分の担当クラス:月1回、同じ学年(2クラス):年2回、校内の3~6クラス:年1回