博報賞

活動タイトル

世界農業遺産大崎耕土 ぼくらは里地里山探検隊 未来の種を見つけに行こう

特定非営利活動法人 エコパル化女沼

独創性と先駆性を兼ね備えた教育活動|博報賞| キーワード:宮城県
特定非営利活動法人 エコパル化女沼

活動内容

五感をくすぐる自然体験が、子どもたちの豊かな感受性を育む

ラムサール条約登録湿地「化女沼」の環境保護のために、周辺の4つの集落から代表2名を立ててNPOを設立。化女沼固有の自然に触れ学ぶことを目的に、季節に応じた自然体験を提供する、親子参加型の「里地里山探検隊」を年9回開催している。
主な内容は「山菜・野草採り」、「ヒシの実・ハスの実採り」、「キノコ・木の実採り」、「渡り鳥のねぐら入り・飛び立ち観察」で、活動はすべて子どもの自主性を大切に行われている。参加者は、自由に山野や沼に分け入って興味関心のままに植物、キノコ、昆虫などを見つけ出し、みんなで観察。さらに食べたり、匂いを嗅いだり、音を聞いたりと五感をくすぐる経験を通して、化女沼の自然環境のすばらしさを知り、豊かな感受性を身につける機会としている。スタッフの丁寧で興味をそそる解説も、子どもたちを惹きつけて止まない。リピーターも多く、毎回15組以上の親子が参加している。
自然の不思議さに触れる中で、子どもたちの真理や物事を追求しようとする意識が芽生え、固有の自然をもつふるさとへの誇りを育んでいる。また、大人や高齢者を敬う気持ちも自然に生まれ、地域に伝わる知恵や文化を次世代に伝承する取り組みともなっている。

【写真】
みんなでキノコを採集後、キノコの勉強会

審査委員より

宮城県のラムサール条約登録湿地「化女沼」において、子どもたちにさまざまな自然体験活動を提供する活動を継続している団体である。貴重な亜種シシクイをはじめとする渡り鳥の観察など、固有の自然環境の魅力や、集落の人々に伝わる知恵や文化を、次世代の子どもたちに伝承していく取り組みといえる。多くの参加者が集まる活動が継続されている点、また参加する子どもが生き生きと活動する姿が確認できる点が、高く評価された。設立当初は、各集落の代表が集まった「受け身の団体だった」ものが、参加者の様子に触発されて積極的な活動へと発展してきた経緯に、スタッフ自身の成長の様子がよく表現されていた。

プロフィール

特定非営利活動法人 エコパル化女沼

【代表者】
髙橋 和吉

【役 職】
理事長

【活動開始時期】
2009年

【団体所在地】
宮城県大崎市

【HP】
https://ecopal-kejonuma.jp

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:30名(小学生 28名、中学生 2名) ○指導者:内部 12名、外部 1名 〇協力者(ボランティア等):10名 〇開催ペース:年間9回開催