冒険遊び場づくりの推進を通じた子どもの成育環境向上
特定非営利活動法人 日本冒険遊び場づくり協会
教育活性化部門|-| キーワード:遊びや交流のなかで学ぶ・心を育てる/体験的な活動 |東京都活動内容
冒険遊び場づくりの普及を通じて、地域で子どもたちが自由に遊び育つ豊かな社会の実現をめざす
1970年代に「子どもが外で遊んでいない」と言われる中、ヨーロッパの冒険遊び場に共感した市民ボランティアが1979年に世田谷区との協働事業で開設したのが、日本初の常設の冒険遊び場「羽根木プレーパーク」。その事業開始20周年を記念して開催された冒険遊び場全国研究集会を契機に、IPA(子どもの遊ぶ権利のための国際協会)日本支部の一機関から後に独立し、日本冒険遊び場づくり協会は開設された。
以来、住民活動としての冒険遊び場づくりは全国に広がり、現在は約400の団体が活動を展開。当会では、子どもの自由な遊びを支える重要な役割をもつ「人」の育成・研修、全国各地の「冒険遊び場づくり」に関する相談の対応、子どもの遊びを取り巻く環境の調査研究と結果分析の公開、冒険遊び場の必要性についての情報発信や政策提言などを通じて、全国の冒険遊び場づくりの活動を支援している。
東日本大震災の際には、子どもの心のケアのため、宮城県気仙沼市に遊び場を開設したほか、遊び道具や素材を積んだ車「プレーカー」で出張遊び場をつくるなど、被災地の復興を支援してきた。
冒険遊び場で、子どもたちは教科書やカリキュラムのない時間を自由な発想で遊んでおり、冒険遊び場は「まさに自主性を発揮する場所」とも「《生きる力》を自然に獲得していく場所」とも言われる。また、その場にはプレーリーダーと呼ばれる遊び場づくりの専門職の人材をはじめ、子どもの保護者、乳幼児の親、若者などが集まってくるので、子どもたちは多様な大人と出会うことができる。
冒険遊び場での体験を通して変化するのは子どもたちだけではない。子どもをハブにして、大人同士もつながることで大人が変化し、子どもも大人も冒険遊び場での関係が地域の中に広がることで、地域全体のコミュニティにもよい影響を与えている。冒険遊び場づくりの推進は、子どものためだけでなく地域コミュニティ醸成を強く意識したまちづくりであり、子どもの成育環境の向上に大きく貢献している。
【写真】
魅力あふれる素材の水や土。遊びの発展はどこまでも
審査委員より
全身で自由に遊ぶ場を作る活動を1970年代から先進的に開拓し、時代の変化にも対応しつつ、全国で400を越える遊び場の拠点となってきた団体である。子どもたち自身が、「生きる力」を経験のなかで自然に獲得していく居場所を、各地域のなかに生み出す活動である点が評価された。子どもの遊びを制限せず、子ども自身が自らを守る能力を鍛えながら成長するための環境づくりや、スタッフ養成方法を具体化している点には、学ぶところが多い。
プロフィール
東京都 特定非営利活動法人日本冒険遊び場づくり協会(とくていひえいりかつどうほうじんにほんぼうけんあそびばづくりきょうかい)
【代表者】
関戸 まゆみ(せきど まゆみ)
【役 職】
代表
【創立】
2003年
【勤務校所在地】
〒 154-0003東京都世田谷区野沢3丁目14-22
TEL (03)-5430-1060 FAX:(03)-5432-9114
E-mail:info@bouken-asobiba.org
HP URL:http://bouken-asobiba.org
【学校(団体)規模・活動参加人数】
活動団体数: 416団体 ○当会役職員: 16名