地域と協働し、ふるさとへの思いを高める子どもの育成
胎内市立中条小学校
教育活性化部門|-| キーワード:地域の活性化/まちづくりプラン/行政などへの提案/地域の担い手農業/林業/水産業 |新潟県活動内容
「ふれる・かかわる・働きかける」探究的な学習で、自ら課題を解決する力を養う
ふるさとへの思いを高める子どもとは、ふるさとの「ひと・もの・こと」を愛し、誇りに思い、ふるさとの未来について自分の考えを持てる子どもである。そのような子どもを育てるためには、地域を題材とし、地域のよさや問題状況に触れたり、働きかけたりして、子ども自ら課題意識を高めながら解決していく探究的な学習活動を組織することが必要である。また、学校と地域が協働することが大切と考え、10年前から「つばさっ子ボランティア(学校支援ボランティア)」を組織し、地域の人々が学校の教育活動の支援をしたり、参画したりしてきた。
地域の「ひと・もの・こと」にたっぷり触れることで、地域のよさや課題をとらえる単元を第1単元(ふれる・かかわる)とし、そこでの学びを踏まえ、地域の一員として「ひと・もの・こと」に働きかける単元を第2単元(働きかける)とする。5年生の活動では、農家での2泊を含む4泊5日のふるさと体験学習を実施している。農作業体験や、市の自然環境や特産品、文化、歴史等についての体験学習を通して、ふるさとのよさを実感として受け止めることができる。第2単元では「地域の特産品の良さをPRする」という課題をもち、情報収集、話し合い、「整理・分析」するなどの言語活動を通して、子どもなりに地域活性化に向けて働きかけ、地域活性化に尽力している人々と協働して解決していくことで、ふるさとを誇りに思う気持ちの醸成につながった。
「つばさっ子ボランティア」は保護者を含む地域住民約80名で組織され、毎年延べ二千人以上が活動に参加している。体験学習等のゲストティーチャーとなったり、地域の問題状況に対して子どもと協働して課題解決に取り組んだりするなど、学校と連携して主体的に活動に取り組み「ふるさとへの思いを高める子ども」の具現化に向け活動を展開している。毎年、出前教室形式で体験活動を行う「つばさっ子秋祭り」では「ふるさとアウトドア体験」「ふるさとの歴史グッズづくり」など30~40もの教室を開き、ふるさとのよさに触れる機会となっている。
【写真】
4泊5日体験学習「特産品フランクフルト」作りに挑戦
審査委員より
総合的な学習の時間を中心に地域の特性を生かした教育活動を行うとともに、そうした学習活動を幅広く支援したり、ゲストティーチャーとして直接的に関わったりする「つばさっ子ボランティア」の活動が継続的に行われている。多くの地域住民に支えられる取り組みによって、ふるさと胎内のよさを実感する子どもが確実に育っている。
プロフィール
新潟県 胎内市立中条小学校(たいないしりつなかじょうしょうがっこう)
【創 立】
1873年
【学校(団体)規模・活動参加人数】
○児童数 : 460名 ○クラス数 : 21 ○指導者数 : 33名