活動内容
読んだことを書くことや話すことなど表現することに連続し、国語学習に主体的な態度で取組む児童の育成を図る。
1.小学校教師・担任教師として=児童の読む力、表現力の育成に長年取組んできた。読むことと書くこと・話すことを切り離して考えるのではなく、一体的・連続的にとらえ、研究し、実践を積み重ねてきた。その実践の特徴は①児童に司会進行、板書、時間配分の係を担当させる等、子どもの主体的な学習に取組んでいる。②担任による読み聞かせや読書タイムの継続、多様な読書紹介など、児童が読書する機会を多く設定している。③児童が表現したものを大切にし、学級文集を編集し、各家庭に配布している。④関連図書などの教材開発を推進し、学級文庫を充実している。などがあげられる。一貫して読解力の育成を重視し、児童が自分の考えを持ち、相互に交流することによって考えを深め、自己表現力を高める授業を目指し実践、研究を続けている。
2.国語主任として=15年以上続けて国語主任を務める。鹿児島県大会での授業提供、研究発表だけではなく、運営にも関わり、盛会に導いた。また図書館改造のアドバイスも行い、よりよい学校図書館運営にも携わっている。
3.各地域、各研究会の中心となって活躍し、実践発表、研究発表をする=赴任した各地域での国語研究会で積極的に活動し、実践発表を重ねる。鹿児島県総合教育センターでは講師を務め、「共に学び、関連図書を読む力の育成-『話すこと・聞くこと』『書くこと』と関連させた活動を通して- 」など、短期研修講座の講師を務めた。さらに全国大学国語教育学会において研究発表「読者主体の比べ読み学習」を続けている。また、勤務しながら大学院に進学し学び続け、その真摯な姿勢は人柄と相まって、周囲に多大な影響を与えている。
4.2010年、これまでの研究や実践を基に単著『比べ読みの可能性とその方法』が出版された。諸大学の教授に出版を勧められたもので、書評に取りあげられ県内外の教師に影響を与え、授業を組み立てる際に使われたり、論文の参考にされたりした。また、これまで行った実践発表や研究発表、講話は100回を超える。
【写真】
授業の司会・進行や黒板係、計時係は児童が行う(写真は黒板係)
審査委員より
読むことをテーマに据え、創意に富む実践を継続して行い、豊かな成果を結実させている。また、それらを学会や研究会で発表し、その研究成果の著作物が学会誌の書評に掲載されるなど、高い評価を得ている。また、鹿児島県を初め全国規模の研究会で牽引の役割を担い、文部科学省の教育行政にも貢献していることなども評価された。
プロフィール
鹿児島県 船津啓治(ふなつけいじ)
役職:姶良市立加治木小学校 教諭