活動内容
本会は、「盲聾児の就学援助、学校施設の充実促進、教職員の研修助成その他盲聾教育の振興上必要な事業を行うこと」を目的に、1912年3月、函館市民44名の加入によりスタートした。草創期は、公的支援のない厳しい時代だったが、函館市の有力者が地域の障害児教育を支え、その教育の灯をともし続ける原動力となった。1937年6月にヘレン・ケラー女史が来日し、当時の函館盲唖院に来校されたとき、市民が学校を支えていることや、一人ひとりの志が集まって後援会が継続されてきたことを賞賛したという記録がある。
本会では一昨年、ヘレン・ケラー生誕130周年記念事業を開催した。両校に残っている資料や写真、ヘレン・ケラー女史が触れた神社仏閣の木製模型(当時の教員と児童生徒が作成)を、児童生徒の作品と共に展示して、函館市民に聖人の足跡を理解してもらうと同時に、現在の盲聾教育を知り、これからのインクルーシブ社会に向けた提言となるような構成を心がけて実施した。このイベントにより函館市民の関心が高まり、両校の運動会や学習発表会、公開授業等には多くの皆さんが来校された。地域との連携も深まり、日々の教育活動や食育指導においても地元の専門家が指導者として参加できる体制も整った。
また、両校の特別支援教育のセンター的機能により、地域の障がいを持つ子どもたちの早期発見と具体的な指導方法の提供や教育相談の充実が図られ、北海道南部全域を網羅した支援体制が確立している。これらの業績も後援会による継続した支援によるところが大きい。
今年で後援会ができて、100周年を迎える。子どもたちは、後援会の支援を受けて、文化・体育活動や「科学へジャンプ」という理科の事業にも参加して、本会は、教育都市函館の代名詞と言われるようになっている。
【写真】
「ヘレン・ケラー展」生誕130年を記念し、ゆかりの品々を展示
審査委員より
1912年に後援会を設立してから今日に至るまで、それぞれの時代の変化やそれに伴うさまざまな要請に対応して、函館地域の盲教育・聾教育の発展に尽力し、本年で100周年を迎える。盲学校・聾学校の運営に、市民の力も広く集めるなどして貢献を続けてきており、特に、大正期の貢献は顕著なものといえよう。
プロフィール
北海道 函館盲聾教育後援会(はこだてもうろうきょういくこうえんかい)
【創 立】
1912年
【学校(団体)規模・活動参加人数】
会員数:390名