博報賞

活動タイトル

豊かな読書生活を築き、読解力・読書力を育成する国語科学習指導法の研究

神明 照子

国語・日本語教育部門|-| キーワード:福岡県
神明 照子

活動内容

 学習者の読書生活を豊かにし、読解力・読書力を育成する研究を継続している。そのような研究的立場を大事にしながら実践を重ね、授業公開や論文執筆、単行本の分担執筆などを行ってきた。一方で、国語主任・図書館教育主任などを歴任したり、全国大会に参加したりしている。
 子どもたちが本を読み、読解力を向上させたり、読書生活を豊かにしたりするためには、何よりも本が身近にあることが重要であると考え、学級文庫に1,100冊を越える本を収集し、読み広げられるようにしてきた。また、本のジャンルの幅を広げるためにも、積極的に作家の講演会に赴いたり、書店を渉猟したりし続けてきた。活用に当たっては、子どもの読書カードの分析を行ったり、ブックウォークによる読書推進を図ったりして、各教科等でも活用できる文庫を目ざして充実させている。子どもたちは、身近に本があることで、読書習慣を確かなものにしている。
 国語科の授業では、読み聞かせや紹介活動、学習における推薦図書・指定図書、多読、摘読、比べ読み、重ね読みなど様々な読みの方法を実践し続けている。各教科等での本や文章を読んでの自分の考えの記述は、今改訂の学習指導要領の先取りともなっている。
 国の教育課程実施状況調査や特定の課題に関する調査などの学力調査の委員委嘱を受けてからは、読解力・読書力を支える漢字力や文章力、書写力、話す・聞く力にも課題意識を広げるようにしている。学力の把握に関する研究指定校事業企画委員(小学校国語)として、指定校に赴き、取り組みに関して助言する機会を得たり、「学習指導要領の改善等に関する調査研究協力者」の委嘱を受け、「小学校学習指導要領国語」及び「小学校学習指導要領解説国語編」の執筆に携わったりしている。2007年1月には、独立行政法人教員研修センターの依頼により、「平成18年度『国語力向上研修』調査研究海外調査団員」としてアメリカ合衆国での教育事情等の視察調査を行い、教育課程の中での読書活動の構築に関する知見を深めた。

【写真】
表を見て分かることをグループで話し合う



審査委員より

子どもたちの豊かな読書生活を築くために、学級文庫に1,100冊を越える本を個人で収集し、本の紹介や読書カードの分析を行ったり、ブックウォークによる読書推進を図ったりしている。また、一貫して研究的立場を大事にし、「多読」「再読」「摘読」「比べ読み」「重ね読み」など様々な読みの方法を活用して実践、検証し続け、読解力の向上を図っている。