第17回研究成果発表会
日時:2023年8月19日(土)10:00~19:30
会場:東京コンファレンスセンター・品川
当日は、第15回・第16回2ヵ年、第17回1ヵ年助成対象者14名による研究成果発表と第15回・第16回・第17回2ヵ年助成対象者12名による中間報告を発表し、審査委員の先生方からのコメントを頂きました。
その後、各組ごとにポスターセッションを行い、発表者同士、また現在助成中の第18回助成対象者や審査委員の先生方を交えて、活発な質疑応答・意見交換・情報交換が行われました。
成果発表会終了後には、藤森審査委員長より優秀賞3名が発表され、受賞者に賞状と副賞を贈呈いたしました。その後、集合写真撮影/交流会を行いました。
発表者: | |
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※研究成果報告書(要約)は、各回のページからご覧いただけます。
審査委員: | 藤森 裕治 文教大学 教育学部 教授 ※ |
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米田 英嗣 青山学院大学 人間科学部教育学科 教授 | |
針生 悦子 東京大学大学院 教育学研究科 教授 | |
藤野 博 東京学芸大学大学院 教育学研究科 教授 | |
横山 詔一 国立国語研究所 研究系 教授 (50音順) ※審査委員長 |
審査委員長総括コメント
藤森 裕治 審査委員長
- 皆さま大変お疲れ様でした。
私も審査委員に就任してから8年目になりますが、年々研究のクオリティが上がってきているのを実感しています。 審査委員会では、毎回、「博報堂教育財団の助成金が何を目指しているのか?」という点を議論しています。 その際、「ごく普通の先生方の、子どもたちやいろいろな方々が幸せになるような、もっともっと実践で地に足のついた研究をより多く採用したい」ということを毎度話し合い、現在もこの方向性で進めております。
決して研究的な精度の高さはどうでもいいという意味ではなく、科学的な、統計的な、詳細な、緻密な研究に対して、例えば今日何人かいらっしゃいましたが、自分の実践の中での悶え苦しみを告白するような研究も我々は大いに共感する余地があるのではないかとも考え、その点も重視しております。
また、共同研究の場合、共同研究という状況をしっかり心に留めてください。例えば、共同研究であるにもかかわらず、主語を「私は」という形で発表してしまうと他の方々はどうなったんだろうというのが気になりました。 また、ポスターセッションの際も研究代表者ではなく、共同研究者の方々がお話されているとどちらが主か分からないというケースもいかがなものかと思いました。 それは研究助成をいただいている皆さまの各事情があるかと思いますが、仮に1人で研究された場合でも連名で分担された場合でも、その辺の筋をしっかり通していただければと申し伝えたいと思います。
もう1つは皆さまにお願いです。ご自身のようにこの助成金をもらう人を勧誘してください。特に実践研究者からのご応募がどうしても少なくなってきているため、是非お声がけしていただきたいと思います。 私共はご応募が増えたら、その分しっかり審査いたします。また、皆さまは既に助成されていますが、何度でもご応募・採択可能で、現にそういった方もいらっしゃいますので、是非今後とも頑張っていただきたいと思います。 ありがとうございました。
優秀賞受賞者コメント
※所属・役職は発表時のもの
上田 紋佳(うえだ あやか)氏 北九州市立大学 文学部 准教授
本日は、このような素晴らしい賞を受賞させていただき、本当にありがとうございました。研究助成時に産休・育休を取得させていただき、安心して研究を続けることができました。 博報堂教育財団の皆さまには、産休・育休取得の時にご尽力いただきまして、誠にありがとうございました。 また、調査にご協力いただきました小学校の先生方、子どもたちにも、心より感謝申し上げます。
甲斐 伊織(かい いおり) 氏 学習院 中等科 教諭
普段は、顧問・監督を担当している野球部のことや、学級経営・保護者対応などについて考えることが中心になっておりますが、本日はこのような皆様の刺激的なご研究が集まる場に参りまして、また研究を頑張っていこうという風に思えました。その中で、このような賞をいただきまして、誠にありがとうございました。 貴重な研究の機会を与えていただきました博報堂教育財団の皆さま、審査員の先生方に心より感謝を申し上げます。どうもありがとうございました。
劉 夢思(りゅう むし)氏 東京大学 教育学研究科 大学院生
大変な中でこのような貴重な研究助成をいただき、博報堂教育財団に感謝の意を心より申し上げたいと思います。博報堂教育財団の皆さま以外にも本当にたくさんの方からサポートいただいて歩んできていたと思います。また、本日はたくさんの先生方の素敵なご発表や審査員先生方のコメントからも新たな刺激をいただきました。これからは例え自分の身がここにいなくても将来異なる形で日本の教育実践に携わらせていただきたいなと考えております。一年間の研究助成そしてこのような賞までいただき、本当にありがとうございました。これからも励んでいきたいと思います。