第18回研究成果発表会
日時:2024年8月31日(土)10:00~20:00
会場:東京コンファレンスセンター・品川
台風の影響で、会場とオンラインのハイブリット開催となった今回は、2023年度に助成を終了した対象者と現在助成中の対象者、計29名が発表を行いました。
その後、各組ごとにポスターセッションを行い、発表者同士、また現在助成中の助成対象者や審査委員の先生方を交えて、活発な質疑応答・意見交換・情報交換が行われました。
成果発表会終了後には、藤森審査委員長より優秀賞3名が発表され、受賞者に賞状と副賞を贈呈いたしました。その後、集合写真撮影/交流会を行いました。
発表者: | |
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※研究成果報告書(要約)は、各回のページからご覧いただけます。
審査委員: | 藤森 裕治 文教大学 教授 |
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米田 英嗣 青山学院大学 教授 | |
針生 悦子 東京大学大学院 教授 | |
藤野 博 東京学芸大学大学院 教授 | |
横山 詔一 国立国語研究所 名誉教授 (50音順) |
審査委員長総括コメント
藤森 裕治 審査委員長
- 皆さま大変お疲れ様でした。
本日は、外は記録的な大雨で災害も発生しておりました。
会場で参加された皆様、それからオンラインで参加された皆様の中にもお見舞いを申し上げなければいけない方もきっといらっしゃると思います。ご無事でありますようにお祈り申し上げます。
今回の台風の影響で、社会的な情勢、地球環境そのものの状況を真剣に受け止めていかなければいけない重要な問題であると強く感じました。
博報堂教育財団の研究助成は、限られた予算枠の中での研究のため、それぞれもっと時間やお金があればと思われる方もたくさんいらっしゃると思います。その中でも小さな一歩一歩が巨大な力となって大きな渦を成して、地球に慈雨を降らせてくれるのではと思っております。
皆様の充実したご発表を聞いて、自分が逆の立場でここに立った場合、あのような研究ができるだろうかという想いで伺っておりました。途中でもしかすると失礼な言い方をしたかもしれませんが、どうぞお許しください。
最近、友が作った短歌を読んで、いいなと思った短歌へのコメントを短歌で返すという面白い公開授業に立ち会いました。
本日の研究成果発表会の感想も短歌で伝えさせていただきます。
『行く夏の 野分乱るる 博報の 学び究める ともがらの在り』
それぞれの研究テーマが関わりあって、博報堂教育財団の助成者の絆としてつながっていただけたら審査委員冥利に尽きると嬉しく感じます。
ありがとうございました。
優秀賞受賞者コメント
※所属・役職は発表時のもの
勝田 光(かつた ひかる)氏 筑波大学 助教
研究タイトル『子どもは絵本を通して戦争をどう理解するか:戦争文学教材の発掘・読みの実態調査・授業開発』
- この度は過分な賞をいただきまして恐縮してございます。 2度目の米国調査にいく直前、イスラム組織「ハマス」によるイスラエル攻撃が起きました。その結果、複数の学校から「時期が良くない」という理由で調査への協力が撤回されました。また、中国の大学で日本の国語教育について講義する機会を得た時、本研究の内容を含めた資料を事前にお送りしたところ、先方より「申し訳ないけれども、内容を差し替えて欲しい」と依頼がありました。容易な研究テーマではございませんが、私の研究の趣旨をお含み頂き、多大なご支援をくださった博報堂教育財団の皆様、審査委員の先生方に深く感謝しています。当日の発表会では、大変おもしろい研究や質・量ともに充実した研究に数多く触れ、刺激を受けました。今回の受賞を励みにいっそう国語教育の実践・研究に精進してまいります。 ありがとうございました。
木澤 利英子(きざわ りえこ)氏 帝京大学先端総合研究機構 特任助教
研究タイトル『ローマ字知識との対比を軸とした英語の音韻・綴り指導プログラムの開発と効果検証』
- この度は、このような素晴らしい賞をいただきありがとうございます。 学校の先生方や子どもたちに届く研究がしたい、との思いから、教育実践現場と協働して研究を進めてまいりました。この助成を通じて得られたご縁を大切にしながら、今後も英語教育をめぐる議論の進展に貢献していけるよう、努力を続けたいと思います。 2年間にわたり細やかなご支援をくださった博報堂教育財団の皆様、貴重なご助言をくださった審査委員の先生方、たくさんの刺激を与えてくださった他の参加者の皆様に、この場を借りて感謝を申し上げます。ありがとうございました。
田中 祐輔(たなか ゆうすけ)氏 筑波大学 教授
研究タイトル『帰国・外国人児童日本語支援プログラムに関する総合的研究―JSL教科学習能力診断テストとモジュール型オンデマンド映像教材の開発と実践―』
- この度は、身に余る賞をいただきまして、誠にありがとうございます。私としては、研究を育てていただいたという感謝の気持ちでいっぱいでございます。 本研究は、当初は国語教科書データベースの構築といういわば基礎研究が主であったのですが、採択時に先生方からご指摘やご助言を賜り、また、中間報告の際に同じ助成プログラム対象者の皆様の中間発表や成果発表を伺うことで、徐々に、理論と実践の両輪による応用研究にも展開してゆくことができました。第一線の専門家の先生方からご助言とご指導をいただき、同じ助成プログラム対象者の皆様から刺激を受け切磋琢磨しながら研究する機会を頂戴しましたこと御礼申し上げたいと思います。 博報堂教育財団の「児童教育実践についての研究」は、その意味で、非常に貴重な研究助成であると思います。今後、ますます社会が複雑化し、児童を取り巻く環境や状況は難しいものになっていくことが予期されます。児童もますます多様化しさらに多角的な視点とアプローチによる支援が不可欠になると思われます。 博報堂教育財団の「児童教育実践についての研究」がこれまで育ててこられた理論と実践の両輪による研究や、これから生まれる研究、そして、それらが連関して広がる研究実践は、今後の児童への新しい教育と支援の展開に極めて重要な影響を与えてゆくものと思われます。 本事業がますます進展し、博報堂教育財団がさらに発展しますようお祈り申し上げます。 本日は、誠にありがとうございました。