活動内容
日本の伝統文化が根づいた地域の教育資源を活用し、豊かな人間性を育むことにつなげる
京都の中心部に位置する特色を生かし、地域の教育資源を有効に活用した学習活動により、これからの子どもたちに必要な資質・能力を総合的に開花させるために、4つの視点(①各教科・領域の学習を「つなぐ」②子どもと家庭や地域の人材を「紡ぐ」③時代を超えて学びを「繋ぐ」④学校から他の地域や他国に発信しながら「TSUNAGU」)からカリキュラムを編成している。
地域の力を学びへ=「おもてなしの心」を生活文化に活かす実践では、第6学年総合「魯山人にまなぶおもてなしの心」、図工「味わってみよう和の文化」、家庭「まかせてね今日・京の食事」などがある。校区内にゆかりの深い北大路魯山人をテーマに地域の学芸員から話を聞いたり、料理の盛り付けを体験したりすることで四季折々の自然を活かした材質感・色彩感などが衣食住すべての生活文化に生かされていることに気づかせている。
伝統的な生活文化と自然とのつながりを大切にする実践では第5学年総合「祇園祭とチマキザサ」、図工「えがいてみよう祇園祭」、第2学年「ぐんぐん育て」などがある。祇園祭に欠かせない粽(ちまき)の原材料であるチマキザサや祭を飾るヒオウギが絶滅の危機にあることを知り、祇園祭という伝統的な生活文化にも自然とのつながりが欠かせないことを実感する。
グローバルな視点から日本文化の良さを見出す実践では、全学年道徳「青い目のお人形」、第5学年外国語活動「Hello! Where are you from?」などを通じて、本校が所有する日米友好の「青い目の人形」をもとに道徳や英語の独自教材を作成している。また、2年間の学習のまとめとして、第6学年家庭「自分にできることは〜わたしのBENTO〜」として日本特有の弁当文化を学び、本にまとめ国内外に発信している。
日本の伝統文化に関わりのある教育資源を多く有していることと、早くから学校運営協議会を立ち上げ、地域と連携、協力して教育活動を充実させている。
【写真】
魯山人に学ぶおもてなしの料理の盛り付け体験授業
審査委員より
伝統文化が根づく地域において、人的・物的資源を活用し、児童が日本文化のよさや価値を実感できる教育課程を編成している。各教科・領域の横断的な取り組みを毎年改善し続け、各実践例には核となる特徴がある。児童自身が気づいたことを発信し、ものの見方を広げることにつながっている。また、学校運営協議会を立ち上げ、長年地域と共に教育を作り上げており、教育資源のたゆまぬ開発、地域連携という点で優れた取り組みである
プロフィール
京都府 京都市立高倉小学校(きょうとしりつたかくらしょうがっこう)【文部科学大臣奨励賞受賞
【代表者】
岸田 蘭子 (きしだ らんこ)
【役 職】
校長
【創立】
1995年4月1日
【学校(団体)規模・活動参加人数】
○児童・生徒数 : 708名 ○クラス数 : 25 ○指導者数 : 45名