博報賞

活動タイトル

外国人児童・保護者と共生できる社会をめざす支援体制の確立

浜松市立瑞穂小学校

国際文化・多文化共生教育部門|-| キーワード:異種専門職間の連携/地域との連携・協働多様な文化の相互理解/多様性の相互理解静岡県
浜松市立瑞穂小学校

活動内容

外国人児童教育実践校としての伝統と実績を基盤に学校・保護者・外部支援者の連携を図り、国際理解教育を推進する。 
 現在、浜松市内にはブラジル国籍のほかフィリピン、ベトナムなど2万人以上もの外国籍を有する人々が生活しており、公立の小中学校に児童・生徒が1,400名以上在籍している。日本国籍であっても片方が外国籍であるなど、何らかの形で外国につながっている児童・生徒も200人以上いる。本校では全校の1割を超える児童が外国籍、または外国につながる児童である。
 支援体制としては、外国人指導のための加配教員の配置に加え、バイリンガル支援としてポルトガル語と日本語のバイリンガルである常駐の就学支援員とポルトガル語とタガログ語、中国語の就学サポーターが入っている。また、日本語・学習支援として算数の指導補助者、日本語指導のNPO団体、地域ボランティアによる放課後の学習支援などさまざまな支援が入っている。そうした支援者同士をつなぐために、学校と各機関の連携を促す支援体制として「外国人支援委員会」を設け、運営をしている。
 指導内容としては、児童の実態を把握して「在籍学級の時間割を優先した指導・支援のカリキュラム」を組むことにより、必要な児童に適切な支援が行われている。少人数の取出し指導ではきめ細かい指導ができ、ことばを正しく理解することによって日本語や教科の内容が定着してきている。
また、丁寧な日本語指導を在籍学級でも行うことによって、さらなる学力向上につながってきている。
 PTA活動にも力を入れており、PTA組織には外国人委員が位置づけられ、保護者会やPTA国際文化交流において主体的に活動を行っている。外国人委員が企画運営し、日本人委員が協力するという形式は特色のひとつとなっている。
外国人児童教育モデル校として全国からの視察を受け入れたり、日韓欧多文化共生都市サミット2012浜松での会場校として学校公開を行ったりした。浜松市外国人指導研究部の研修会では、市内の外国人指導部の教員に授業を公開し、地域モデルとしての情報発信も行った。

【写真】
多様な考えを引き出すための授業の工夫



審査委員より

外国人児童の学ぶ力を育み、全児童の国際理解教育を推進することで、国籍を超えて共存・共生する社会づくりをめざす本取組は、教職員・保護者・NPO等地域関係機関や個人が実質的に連携できる支援体制づくりを徹底し、子どもの学びへの実績を構築している。子どもたちの主体的な学びに向けた基盤づくりが充実している。

プロフィール

静岡県 浜松市立瑞穂小学校(はままつしりつみずほしょうがっこう)

【創 立】
1978年

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○児童数 : 764名 ○クラス数 : 28(特別支援学級2含む) ○指導者数 : 42名