活動内容
さまざまな「困難」を抱える障害児童生徒の生活環境をいかに充実させていくか。本校では、一人ひとりのニーズや特徴に合わせて、主体的な活動を引き出すための「ツール」を研究・開発・活用してきました。このツールは、(1)活動の「環境」を整え、(2)児童生徒の「理解」を促し、(3)児童生徒の「技能」を向上させ、(4)活動への「意欲」を引き出す、といった4つの観点から設計されています。たとえば家庭での調理活動の場合は、(1)保護者が何をどこまでサポートすべきかをまとめた「サポートレシピ」、(2)調理の大まかな手順を記した「調理レシピ」、(3)洗剤の量の目安や野菜を切る大きさの目安が記された「myスポンジ」「myまな板」、(4)お手伝い回数などを記した交換記録ツール「お手伝いカレンダー」などを活用し、児童生徒の自発的な活動を引き出します。こうして本人だけでなくそれを支える支援者を巻き込んだ形でのツール開発を通して、本人が家庭や地域の施設、進路先、余暇場面など学校外でも自立的な活動ができるような支援環境づくりに力を入れています。
審査委員より
障害のある児童生徒が自立する力を育てるための効果的な支援ツールの開発を試みた。開発に当たっては、新しい障害者理念を背景に、環境そのものを整え、自発を促し、活動の実行を助け、さらに自分自身の行動を評価し調整するという構造化されたモデルをもち、個別の指導計画を活用し着実にその実践を積みあげた。
プロフィール
【団体の規模】
・児童・生徒数:60名
・クラス数:9
・指導者数:33名
主な著書・論文・文章など
1999年 「支援ツール集」 富山大学教育学部附属養護学校
2000年 「支援ツール1999」 富山大学教育学部附属養護学校
2001年 「個性を生かす支援ツール~知的障害のバリアフリ-~」 明治図書
2004年 「子ども生き活き支援ツール~きっとうまくいくよ移行・連携~」 明治図書
2004年 「一人一人の教育的ニーズに応じた支援はどうあるべきか」(平成16年度紀要)富山大学教育学部附属養護学校