第54回「博報賞」奨励賞受賞
[静岡県]松本 恭子(吉田町立吉田中学校 教諭)
小学校の通常の学級の担任としてキャリアを重ねつつ知的障がい、自閉症・情緒障害特別支援学級の担任として、ことばや表現に自信をもちにくい特別な支援を必要とする児童に高い教育成果を挙げてきた。さらに、特別支援教育コーディネーターとして一人ひとりのよさ・可能性を大事にした学校づくりに取り組んだ。その結果、支援を必要とする児童を含めて学習や活動への参加が向上するとともに、通常の学級や特別支援学級を超えて児童のつながりが高められた。加えて、特別支援学級の授業づくりに興味をもつ教員の輪が広がるという効果ももたらされている。教育実践の場は中学校へと広がり、発達通級指導教室を担当しながら特別支援教育コーディネーターとして子どもたちが主人公となる学校づくりに取り組むとともに、令和2年度からは「榛原地区特別支援教育ガイドブック作成委員会」の中心的なメンバーとして榛原地区全体の特別支援教育の推進に貢献している。
松本氏は、地区において特別支援教育研究部長等の役割を担い、県や全国の教育研究大会で「特別支援教育コーディネーターの役割」「中学校における発達通級指導教室の取り組み」等の実践報告を行い教育成果の発信に努めている。奨励賞の受賞は、松本氏の実践をさらに発展させるとともに後進のロールモデルとなる。
※記載の所属・役職は、受賞当時のものです。
博報賞とは
「博報賞」は、児童教育現場の活性化と支援を目的に、財団創立とともにつくられました。日々教育現場で尽力されている学校・団体・教育実践者の「波及効果が期待できる草の根的な活動と貢献」を顕彰しています。また、その成果の共有、地道な活動の継続と拡大の支援も行っています。
※活動領域:国語教育/日本語教育/特別支援教育/日本文化・ふるさと共創教育/国際文化・多文化共生教育 など