「博報賞」
過去受賞者の活動紹介

第54回「博報賞」奨励賞受賞
[愛知県]豊田市立平井小学校

未来を担う子どもたちと一緒に遊んで学ぶ「ふるさとの川」
日本文化・ふるさと共創教育領域

 2018年、豊田市に位置する矢作川の支流である岩本川を「ふるさとの川づくり事業」の対象とした、地域住民と行政(豊田市・矢作川研究所)の活動が始まった。ガキ大将の役割を地域の年長者が担い、豊田市立平井小学校2年生の児童の自然体験的な学習が進んでいく。幼い子どもたちには、手の込んだあそびのグッズはいらない。彼らの心には、自然とかかわりながら「生きものを採集したい」という思いがある。これを原動力に「川遊び」をコアにした体験型の学習が、展開されている。子どもの本性に基づいた学びの願いを反映すると次のような流れになる。「生き物を捕りたい」→「生き物が捕れた」→「捕れた生き物を見せたい・知らせたい」また、それを聞いた指導者や仲間は、「どこで捕れた?」という反応が生まれる。そして活動における関わりはさらに深まる。研究所の研究員や地域の大人の参加で、「どうやって捕れた?」「この生き物はなに?」と質問する子どもの「仮説検証型」学習へと発展した。2年生の学びは、感謝や感動を言語化する国語科や、観察した生物や風景を描画する図工科、自然愛護の思いやりの心を育てる道徳科、学芸会の演劇の題材に岩本川を盛り込むなど教育課程へのよい効果を生んでいる。

創遊会の方に生き物のことを教えていただく子どもたち
創遊会の方に生き物のことを教えていただく子どもたち
川の中を観察したり、生き物を探したりする子どもたち
川の中を観察したり、生き物を探したりする子どもたち

博報賞とは

「博報賞」は、児童教育現場の活性化と支援を目的に、財団創立とともにつくられました。日々教育現場で尽力されている学校・団体・教育実践者の「波及効果が期待できる草の根的な活動と貢献」を顕彰しています。また、その成果の共有、地道な活動の継続と拡大の支援も行っています。
※活動領域:国語教育/日本語教育/特別支援教育/日本文化・ふるさと共創教育/国際文化・多文化共生教育 など

その他の活動報告