博報賞

第54回「博報賞」贈呈式・祝賀会報告

第54回「博報賞」贈呈式・祝賀会

日時:2023年11月10日(金)16:00~
会場:日本工業倶楽部会館(東京都千代田区)

日本工業倶楽部会館にて第54回「博報賞」贈呈式・記念祝賀会を開催いたしました。
贈呈式は厳粛な雰囲気の中、27組の受賞者様へ贈賞が行われました。
記念祝賀会は、4年ぶりに立食パーティー形式にて開催。審査委員の先生方や参加者同士の活発な情報交換の場となりました。

戸田裕一理事長挨拶

第54回「博報賞」 贈呈式にあたり、ひと言ご挨拶申し上げます。
本日、多くの受賞者様、ならびに関係者の皆様にご出席いただけますこと、深く感謝申し上げます。

また、7名の審査委員の先生方をお迎えし、文部科学省から初等中等教育局 宮崎 活志(みやざき かつし)主任視学官のご臨席を得まして、ここに第54回「博報賞」贈呈式を執り行えますことは、誠に意義深いことであると存じます。

「博報賞」は、児童教育現場の活性化と支援を目的として、当財団設立とともにつくられました。
日々、教育現場で尽力されている学校・団体・教育実践者の「波及効果が期待できる草の根の優れた活動と貢献」を顕彰しております。
「ことばの力を育むことで、子どもたちの成長に寄与したい」そんな想いを核として、子どもたちの豊かな人間性育成を祈念し、支援を続けて参りました。

近年続いた新型コロナウイルスの影響は未だ払拭されておりませんが、このような活動継続に困難な環境下でも、個人・団体でアイデアを出し合い、活動の継続や、コロナ禍での新たな取り組みを含む数多くのご応募・ご推薦を賜り、審査委員の先生方による厳正・的確なご審査を経まして、12件の博報賞および、6件の功労賞、9件の奨励賞を贈呈する運びとなりました。
ご応募・ご推薦いただきました皆様に対し、また、審査、選考の労をお取りくださいました審査委員の先生方に対しまして、改めて厚く御礼を申し上げます。

ご受賞者の皆様方、お一人お一人の多大なるご尽力と貢献に微意を表しますために、正賞としての賞状と、些少ではございますが、副賞をお贈り申し上げ、顕彰させていただきたいと存じます。

本日ご受賞の皆様方と関係者の皆様方におかれましては、ご健康にご留意いただき、皆様方の後に続いて活躍される、数多くの教育者の良き先達として、また、子どもたち一人ひとりの笑顔と未来のために、今後益々のご活躍を祈念いたしまして、ご挨拶といたします。

成田信子 審査委員長 國學院大學教授
審査経過報告

第54回「博報賞」には、全国都道府県の教育委員会をはじめ、児童・生徒の教育に携わる多くの有識者の皆さまから、82件のご推薦・ご応募を賜りました。
本年8月に審査委員会を開催し、皆さまの取り組みを一つ一つ充分に時間をかけて、慎重に審査させていただきました。
その中から、子どもたちの主体性を引き出し、「教育実践の活性化」を果たしている先駆性・独創性のある取り組みで、なおかつ「波及効果が期待できる草の根的な活動と貢献」として、12件を博報賞に選出いたしました。

また、功労賞6件と奨励賞9件を選び、正式決定とさせていただきました。
元来、博報賞は開始から3年以上経過している活動を審査の対象としておりますが、前回の第53回より、「コロナ禍における新たな取り組みに限り、3年未満の活動も審査対象とする新たな枠を設けております。2回目となる今年はじめて、コロナ禍における活動として1件を奨励賞に選出させていただきました。
次に、文部科学大臣賞について申し上げます。博報賞受賞者の中から、

石川県 金沢市立長田(ながた)中学校 様
「創立以来『全クラス』が発表する『演劇発表会』の取り組み」

岡山県 笠岡市立神内(こううち)小学校 様
「子どもたちの思いや願いが実現していく地域探究学習」

愛媛県 西条(さいじょう)市立西条小学校 様
「外国にルーツをもつ子どもが自分らしく生きるための個別最適な学びの追究」

以上、3件を文部科学大臣賞にご推挙させていただきました。
簡単ではございますが、審査の経過報告といたします。

次に、せっかくの機会ですので、博報賞に応募された学校や団体、個人の審査を通じて感じられた教育のもつ力について述べたいと思います。

新型コロナ感染症によって、わたしたちの社会生活は大きな影響を受け、人と人とのかかわりが制限を受けました。学校や教育にかかわる現場も例外ではなく、この間の子どもたち、先生方、関係の方々の苦労は大きかったと思います。授業や活動においては、直接相対してかかわり合い、対話をしながら行う学習活動は見直しを余儀なくされました。

社会や教育に与えた影響は今後検証されてしかるべきだと考えますが、実は見過ごしてはならないのは、この間子どもたちから湧きあがってきた新しい力についてです。
授業や課外活動、地域の活動において、どうしたら自分の思いや考えを伝えられるのか、どのような活動なら友達と共に分かち合えるのか、子どもたちが自分たちでアイディアを出し合い、実現に向けて話し合いをする姿が見られました。
教育の現場は、子どもたちの声に応えて先生方や関係者の努力により学びの在り方を一歩も二歩も前に進めたといえると思います。ICTやオンラインの活用は、学習し、活動する主体の在り方を支える一つの方法です。これらの活用を含めて、今後はさらに子どもたちが潜在的にもっている力が発揮される機会の充実を期待したいと思います。

博報賞の審査の過程においても、子どもたちが自ら考え行動する姿、周りの大人がその機会を提供し、共に考えようとする姿が多く報告されました。子どもたちは他校や他地域と交流を深め、活動や考えを発信しようとしていました。また、自分の地域についてよく知ろうとし、地域のこれからの姿を自分事として考えたり、公の場で議論に加わったりし始めています。
受賞された教育実践の裏側には、時間をかけ、丁寧に子どもたちに関わって、日々取り組んでこられた積み重ねの成果が詰まっていると拝察します。そのご努力にあらためて敬意を表します。

本日は、栄えある博報賞のご受賞、誠におめでとうございます。
以上、簡単ではございますが、審査経過の報告とさせていただきます。

    文部科学省 初等中等教育局 宮崎 活志 主任視学官 文部科学大臣 祝辞 代読

    各賞 賞状贈呈

    受賞者代表挨拶

    祝賀会