博報賞

活動タイトル

目の見えない子どもたちに本の読み聞かせをすることで心を通わせる

音訳ボランティア 虹の橋会

特別支援教育|博報賞| キーワード:愛知県
音訳ボランティア 虹の橋会

活動内容

目が不自由な子どもの生活が豊かになる読書環境の提供を継続、音訳で子どもを笑顔に

1974年、目が見えない我が子に本の楽しさを味わってほしいという母からの投稿記事を契機に、賛同者による岡崎市朗読教室が開催され、その後有志による「朗読奉仕の会」、さらに「音訳ボランティア 虹の橋会」へと発展した。今日まで47年間の活動は、目の不自由な子どもの生活にとって、潤いと楽しみをもたらす糧となっている。
愛知県立岡崎盲学校への定期訪問による対面での「本のお楽しみ会」では、小学部低学年・高学年、中学部、高等部の児童生徒の発達段階に合わせた読み聞かせや身体表現を取り入れるなど、当会員の工夫と熱意あふれる活動が展開されている。また毎年、夏休み前になると学部学年ごとの「読書感想文課題図書」を音訳し、学校に届けるなど、地域住民参画による継続した地域学校協働活動となっている。
読み聞かせの後は必ずたくさんの子どもたちから、お礼の点字の手紙やたどたどしいながらも頑張って書いた墨字の手紙、手作りカードなどが届くことは、楽しみとやりがいにつながっている。
コロナ禍のため、対面での読み聞かせの実施は困難となり、録音による読書とならざるを得ない。録音による読書を終えた子どもは、「今度は生の声で読んでもらえることを楽しみにしています。」という希望をもっている。対面の音訳ボランティアの再開を会員も、児童生徒も心待ちにしている。

【写真】
盲学校での対面による読み聞かせ

審査委員より

視覚障がいがある子の母親の「子どもに本を読んでいただけないか」という新聞投書を機に、1974年から47年間継続されている音訳ボランティア活動である。また、特別支援学校(視覚障がい)での遊びを取り入れた読み聞かせにも継続して取り組んでいる。視覚障がいの子どもが体全体を使って本に親しむ機会を、積極的に提供することによって、子どもの笑顔につながる極めて貴重な取り組みである。コロナ禍のため、対面での活動は困難になっているものの、録音・編集されたCDを学校に届けるなど、学校の教育活動にも大いに貢献している実践であり、さらなる発展を期待する。

プロフィール

音訳ボランティア 虹の橋会

【代表者】
野勢 裕子

【役 職】
会長

【活動開始時期】
1974年

【団体所在地】
愛知県岡崎市

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体44名(小学生相当12名、中学生相当8名、その他18名、幼稚部6名)
○指導者:内部52名、外部20名
〇協力者(ボランティア等):30名
〇開催ペースやクラス数:わくわくタイム(学期ごとに1度。4クラスに)
本のお楽しみ会(春・秋の読書週間5月と11月に全クラス)、文化祭(体育館舞台で全校に)