博報賞

活動タイトル

公民協働による読書推進活動「読書の森づくり」

読書の森 読りーむ in ちの

国語・日本語教育部門|-| キーワード:図書館活用/読書活動/読み聞かせ教育活動の場の形成・環境づくり長野県
読書の森 読りーむ in ちの

活動内容

読書の楽しみやことばの力を活かすことで、地域の子育て環境を改善し、未来に夢をつなぐ

 人の成長過程の中で、子どもを見守り育む活動の中核に読書活動を据え、読み聞かせや絵本との出会い、乳児、学童期での読書、さらに家庭や地域の中で暮らしに結びついた読書活動を探り、継続したいとの考えから、市民と行政が協働し、文化や教育活動の基盤として「読書の森 読りーむ in ちの」を位置づけ、16年におよぶ活動に取り組んできた。
 絵本を仲立ちに親子のふれあいや豊かなことばの体験を創るため、出生届け時と4ヶ月健診時に、それぞれ1冊ずつ計2冊の絵本を「ファーストブックプレゼント」としてすべての赤ちゃんに贈る活動を継続している。
 また、乳幼児期に育まれた読書への興味を学童期に確実につなぎ、家庭読書を根づかせるために、小学校新入学のすべての児童一人ひとりに「セカンドブックプレゼント」として、絵本を贈る活動も継続して12年となる。
 市内すべての保育園・幼稚園・小学校・中学校・高等学校で「絵本の時間」や「朝の読書の時間」が日課に位置づけられ、すべての園や学校は本との出会いから1日をスタートさせている。
 小学校・中学校における読書活動の推進にも寄与し、「朝読書」に読み聞かせやお話会を行ったり、「朝読書見学会」「読書参観日」などに参加したり、また読み聞かせの仕方や一人読みの本の選書、読書紹介、調べ学習のあり方のアドバイスを行い、市内の読書活動の向上に貢献している。また、地域の民話や昔話を訪ねるツアーの開催など、地域に根ざした多彩な取り組みで、読書の楽しみや効用を人づくり、まちづくりに活かしている。
 図書館、子ども館、学校などの読書環境の充実のための働きかけや参画、また、全市的な読書推進活動の継続のために「茅野市こども読書活動推進計画(読書の森づくりプラン)」を踏まえた活動を継続している。
「読書の森 読りーむ in ちの」の活動は、ことばの力を伝え養い、暮らしをともにする人々を幸せにする、しっかりと地に足が着いた実践として評価され、市長をはじめとする行政、地域や学校が一体となって子どもを育て、家庭や地域、学校の生活に直結した活動となっている。

【写真】
セカンドブック手渡し会で、絵本を受け取る一年生



審査委員より

自治体と市民の取り組みとして、公民協働での充実した読書活動が進められてきている。16年にわたって続けられてきたブックプレゼント、地域の中での読み聞かせ会や講演会のほか、読書参観日、朝読書見学会など、体系的・継続的・包括的に読書指導が進められている点が特に評価される。方言カルタや昔話を訪ねるツアーなど、地域性を生かした取り組みや、学校図書館が充実していることも評価される。

プロフィール

長野県 読書の森 読りーむ in ちの(どくしょのもり どりーむinちの)

【代表者】
飯田 美智子 (いいだ みちこ)

【役 職】
会長

【創立】
2000年7月

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○指導者数 : 86名