伝統の「獅子舞」の継承活動による、地域に誇りをもつ心豊かな子どもの育成
見附市立新潟小学校
日本文化・ふるさと共創教育部門|-| キーワード:邦楽/和楽器「総合的な学習の時間」で探究する取組 |新潟県活動内容
子どもたちが主体的に継承活動をし、身をもって日本の文化を体験しながら交流の輪を拡げている。
「小栗山不動院獅子舞」は、300年以上とされる昔から見附市に伝わる伝統芸能。新潟小学校では伝統を受け継ぎ、主体的に継承活動を行う子どもの育成をめざし、1996年に獅子舞クラブとして活動を開始した。地域の獅子舞保存会の指導を受けながら、笛、太鼓、獅子舞、神楽の技を練習し、継承活動に取組んでいる。普通の音楽や演劇の練習と違い、楽譜やテキストがない。したがって、自分の目と耳をはじめとする身体全体で学んでいくことになる。人から直接学ぶことしかできないため、集中して取組む雰囲気が生まれ、貴重な体験の場となっている。
また、獅子舞の調べ学習と全校で獅子舞について学ぶ「獅子舞の日」を実施している。調べ学習では4・5・6年生が総合的な学習の時間を中心に獅子舞の歴史や継承の様子、保存会の方の想いなどを調べ、伝統芸能の意味と継承の大切さに気づき、地域に伝えていく活動を行う。年2回の「獅子舞の日」では、高学年の児童が低学年の児童に獅子舞の歴史やいわれを伝えたり、笛・太鼓・獅子に直接触れたりする活動を通し、全校で獅子舞について学んでいる。
毎年8月の「小栗山不動院大祭」では5・6年生が獅子舞を披露し、県内だけではなく全国から人が集まってくる。市の伝統芸能フェスティバルでは、見附市文化ホールで500名を超える市民の方に見ていただいている。これらの活動は2010年「全国こども民俗芸能大会」での発表につながり、今年、ユネスコスクールに登録され、外国の伝統文化との交流も始まった。伝統文化の世界に児童は没頭し、成長していく。様々な場所での発表を通じて児童は自信を深め、外国の方との交流ではさらに日本文化を受け継いでいくことの自覚と責任が芽生えている。
【写真】
下学年が「獅子の日」に獅子舞について学ぶ
審査委員より
地域の伝統芸能や文化を取入れ継承発展させていくための、様々な配慮がなされたモデルとなる取組みが行われている。地域の人々の参加・協力、伝統芸能の正しい理解、学校経営やカリキュラム経営全体における明確な位置づけと具体的計画、何より子どもたちの主体的参加と協同的学び、内外への発信などが挙げられる。ユネスコスクールにも指定されており、グローバル社会における伝統文化教育の在り方の提案が期待される。
プロフィール
新潟県 見附市立新潟小学校(みつけしりつにいがたしょうがっこう)
【創 立】
1879年6月1日
【学校(団体)規模・活動参加人数】
○児童数 : 98名 ○クラス数 : 7 ○指導者数 : 8名