活動内容
伏見中学校ではかつて、将来に対する希望を失った生徒が、問題行動に走る状況にありました。その原因は、「自分が何になりたいか」「何を目指して学ぶのか」という目的意識の欠如だと捉え、本校では平成8年より「なりたい自分」を見つけさせるためのキャリア教育を行っています。地元の商店街や事務所と連携して、地元の経営者から経営への思いを聞く講演会、卒業生から経験を基にした進路アドバイスをうける会、自分の足で職場体験をさせてもらう企業を探す活動など、総合的な学習の時間を活用し、生徒自らがキャリアデザインを描く機会を設けました。中学3年生になると、3年間の集大成として、プロジェクトチームごとに伏見の清酒PRプランや、大手筋商店街活性化プランの提案を行うなど、地域の特性を生かした本格的なプロジェクトへと発展していきます。これにより、「どうせ自分は」とあきらめていた生徒の学習意欲や生活態度が少しずつ変わっていきました。また地元企業にとっても、地域の将来を担う人材を育てる絶好の機会として受け止められています。
審査委員より
本校は、「総合的な学習の時間」をフル活用して、生徒たちにとって魅力的で多彩なキャリア教育をカリキュラムとして具現化し、計画的、組織的に実践を積み重ねている。伏見の清酒など、地域の伝統産業を題材とするなど、学校と地域が一体となって生徒たちの「なりたい自分」への成長をサポートしようという姿勢が素晴らしい。
プロフィール
【団体の規模】
・児童・生徒数:612名
・クラス数:20
・指導者数:33名
主な著書・論文・文章など
2007年 「生き方探究 実践のあゆみ」 京都市立伏見中学校