活動の目標・方針
1. 青少年の地域の社会的活動への参加促進。
2. 異年齢の集団が交流する機会をつくることにより、ふれあいを深めながら思いやりの心を育てる。
3. 青少年が地域の歴史や文化に対する理解を深める。
4. 青少年に礼儀作法を身につけてもらう。
5. 創作活動により創造性豊かな子どもを育てる。
6. 地域ぐるみの青少年育成体制をつくる。
活動内容
昭和50年代半ば、当地においても青少年問題は深刻な状況にあり、その要因は人間関係の希薄化や多様な体験を通して社会性を培っていく機会が少ないことが上げられた。そこで、"地域の子どもは地域で育てる"の信念に基づき「寺子屋」が開設され、活動の拠点は歴史的・文化的史跡の象徴である寺院や神社とした。寺子屋は、夏休み中の3日間、小学生から高校生までがひと夏の兄弟のようにふれあう活動だ。プログラムは全て中高生リーダーが企画、大人は見守り役に徹する。準備は春まだ浅い3月から始まる。半年近くかけて、小学生の寺子たちをいかに楽しませるかに頭を絞る。リーダーを慕い、憧れ、次期リーダーへと成長を遂げる寺子たち。お互いの心には、ごく自然な形で思いやりや慈しみの気持ちが芽生えていく。平成6年、寺子屋リーダー有志が「JUMP」というサークルを立ち上げ、日常的な社会活動に励む。また、同15年には寺子屋OBが中心となって若者手作りの「カーニバル」も誕生、ふるさとに愛着をもつ彼らの取り組みが、地域を元気にしている。
審査委員より
本活動は、「寺子屋」をイメージしながら、寺社を拠点に、地域ぐるみで子どもの成長を支えようとするものであり、1980年代の初めから(夏休み)毎年、市内の小学生の四分の一程度の参加を見ながら、継続的に行われてきた貴重な活動である。中高生が寺子屋リーダーとして参加し、異年齢の集団同士の交流が行われている。
プロフィール
水沢寺子屋実行委員会
団体概要
【創立】
1983年
【団体の規模】
・児童・生徒数 小学生962、中学生116、高校生72
・寺子屋開設数 9(寺院14、神社4、教会1)
・指導者数 実行委員62、地域の世話人延281
主な著書・論文・文章など
2002年 「中高生の居場所のあり方に関する調査研究」(児童環境づくり等調査研究事業)中高生の生活環境研究会(日本女子大学家政学部)
2002年 「子どもの主体性を活かした地域教育―水沢市の寺子屋事業を事例として―」岩手県立大学総合政策学部学生 佐々木久子
2002年 「平成14年度筑波大学人間学類 社会教育課題研究(水沢市調査)報告書」筑波大学院生 上田一成、安藤耕己
2005年 「平成17年度在学青少年社会参加活動促進事業"ふれあい記録集"」水沢市教育委員会・水沢市 青少年育成市民会議
2005年 「若者主体の活動が地域社会にもたらす効果~"寺子屋事業"の考察~」 岩手県立大学社会福祉学部学生 大久保真理恵