『読書体験を深める 読書推せん文ワークショップ 実践ガイド
写真と言葉で本の魅力を伝える「本の魅力可視化」プログラム』のダウンロードはこちら
(文末のダウンロードセクションにジャンプ)
推せん文を書く前段階として、自分が本から受け取った感情や魅力を「写真」という視覚情報に置き換えることで、直感的な表現から具体的な言葉へと言語化を深めていくプログラムです。
今回講師を務めたのは、学習環境デザイナーの山内佑輔さん。子どもたちへ、「今日は誰かに何かを伝えることについて勉強していきたいと思います」と語りかけました。
このプログラムでは、「好き」「面白い」といった抽象的な感想を、ポーズやシチュエーションなどの視覚表現を通して客観視させ、なぜそう感じたのかという「理由の言語化」をスムーズにすることを目的としています。
- 場所
- 広めの教室の確保(児童全員が集まれて、発表までできる場所)
- 服装
- 動きやすいもの(校内・校庭でのフィールドワークが含まれます)
- 持ち物(児童)
- 撮影可能なタブレット端末等、筆記用具
- 持ち物(指導者)
- ふせん、画像投影できる機材(プロジェクターや大型テレビ等)、タブレット端末との接続端子、本を立てかけられるスタンド(あると望ましい)
※ピクトグラムはWeb上で無料配布されているデータが多数あります。好みのものをダウンロードして使用してみましょう
ピクトグラムを題材に、
想像力をふくらませる
緊張をほぐし、表現へのハードルを下げるため、グループごとに提示されたお題(感情や場面)を全身で表現するジェスチャーゲームを、ピクトグラムを用いて実施します。
ピクトグラムを机の上に立たせたり、本のふちに座らせてみたり、絵本に寝かせてみたりと、仲間と相談しながらピクトグラムに合う場所を自由に探していきます。
ワークショップ
実施のための
Step01
ワークショップのねらいと
進め方・ルールを確認する
<実践すること>
- 「読書推せん文」に関連した活動であることを伝える
- 本を読んだり、写真について伝えながら、誰かに何かを伝えることについて体験したりして、深める時間であることを伝える
- みんなの話をよく聞き、発表には拍手をしたり積極的に参加するように促す
- ピクトグラムは、子どもたちの興味関心を引き付け、緊張をほぐし、自分の表現・考えを柔軟に生み出すために使用する
ワークショップ
実施のための
Step02
本の感想をグループで共有する
本を読み、みんなの意見を聞き、自分の感じ方を言葉にしてみる
<実践すること>
- 各自が選んだ本をグループで共有し、内容について話し合ってみる
- 「どんな本か」「どんな感じだったか」を考えさせる。ふせんを配り、考えを書かせてみる
- 「楽しかった」「面白かった」だけでも可。人によって感じ方が異なることを理解させる
本が一番輝く場所を探し、
校内を探検
グループで選んだお気に入りの本の一場面や「読んだときの気持ち」を、ピクトグラムのポーズで表現し、選んだ本が「校内のどこに飾られたら一番輝くか」を話し合い、タブレットで撮影します。その写真に対して「なぜこのポーズにしたのか」「なぜこの場所を選んだのか」をグループでまとめ、みんなの前で発表を行います。
ワークショップ
実施のための
Step03
本と場所を考える
本の内容や魅力から、学校の中で「似合う場所」を考えてみる
<実践すること>
- グループ内で1冊を選ばせる
- どの場所がこの本に合うのかを考えさせる
(※児童たちのアイデアを大切にする) - 下記のような場所の選び方がある旨を伝える
- 音楽のお話⇒音楽室
- 科学のお話⇒理科室
- スポーツのお話⇒校庭・体育館
ワークショップ
実施のための
Step04
探検して撮影する
実際の場所と本を組み合わせ、伝えたいイメージを写真に撮ってみる
<実践すること>
- 本にぴったりの場所を歩いて探させる
(※1か所で決めなくても可) - きれいな写真をとるのが目的ではなく、本と場所の組み合わせで何を伝えたいかが大事
- 本の角度や撮る角度を変えて色々な写真を撮らせる
- 他の授業中のクラスなどには入らないようにさせる
- 屋外で活動する場合は必ず近くで指導者が確認するようにする
写真に込めた本の魅力を発表し、
推せん文の流れを体感する
グループごとに選んだ場所とその理由を、工夫とともに一言一言ていねいに伝えます。発表を聞く子どもたちは、一冊の本の中にもさまざまな表現があることを楽しみながら学ぶことができます。
今回は、下記のような発表がされました。
「正義」をテーマにした本を選んだグループは会議室で写真を撮影し、「生きるための正義について、みんなでしっかり話し合う本なので会議室を選びました」とコメントしました。
数字がたくさん並ぶ本を選んだグループは、花壇を撮影場所に選択し、「数字がいっぱいで、本自身も頭がごちゃごちゃして疲れていると思ったので、きれいな花を見せて癒してあげたいと思った」と意外な撮影場所を説明しました。
ウミガメの旅をテーマにしたグループは、プールを海に見立て「ウミガメが泳いでいるような、旅の壮大さを表現したかった」ときれいに撮影したことも発表しました。
ワークショップ
実施のための
Step05
発表
本を読んで感じたことを写真と言葉で仲間に伝える
<実践すること>
- 発表では①どんな本か②どんな感じがする本なのか③なぜこの場所を選んだのかを伝えさせる
- 発表を聞く児童は「どんな本か」「なぜその場所か」をしっかり聞かせるようにする(もちろん終わったら拍手を!)
- 次の発表者を先に指名するなどスムーズな進行を行う
「書く」ことから「伝える」ことへ
今回のプログラムは本のことをよく『知る』ところからスタートします。そして、自分の心の中で何かを『感じ』、それを誰かに届けたいと思い、写真や言葉を使って『つくる』、それを誰かに『伝える』という流れを構成しています。
撮影した画像と、本から抽出した言葉をつなぎ合わせ、推せん文の骨組みを作成します。これは読書推せん文を書くときと同じで、自分の感動を言葉にして、想いを伝えることにつながります。
子どもたちの豊かな想像力と、発見が詰まったプログラムで「書く」ことから「伝える」ことに取り組んでみましょう。
指導効果(実施校アンケートより)
【児童】
-
ワークショップは楽しかった
個別回答「本をいろいろな場所に連れて行くのが楽しかった」「講師の接し方が楽しかった」「旅をするのが楽しかった」「みんなの発表が見れて楽しかった」
-
講師の説明や進め方がわかりやすかった
個別回答「一つ一つ丁寧」「楽しそうに進めてくれて親しみやすかった」「やることの進め方がわかりやすい」
-
ワークショップが自分のためになった
個別回答「相手も自分も分かりやすい話し方を学べた」「読書推せん文のヒントのような物になった」「色々な想像力や年上の方や友達に発表をこんな感じでやればいいとかを教えてもらえた」
-
相手に気持ちを伝えることや、言葉を選ぶことの「面白さ」「難しさ」に気づいた
個別回答「相手の反応が面白い」「気持ちを伝えるのが難しいけど、楽しい」「言葉に合わせ表現したり面白さを出せば楽しくできる」
【指導者】
-
学びは有意義だった
-
内容や進行が児童に適していた
-
児童の反応について
「活動後も子供たちから楽しかったという声が聞かれました。今年度の読書推せん文コンクールにも参加予定なので、学んだことを生かさせたいと思います」と回答
-
一般的な読書教材や通常の国語・表現の授業アプローチと比較して、今回のプログラムならではの独自性や・高い教育的価値を感じ満足
石巻市立石巻小学校ワークショップ実施後アンケートより一部抜粋




