対談「オープンダイアローグ」に学ぶ 子どもとの対話の持つ可能性」 (2/3)

親子でも使えるオープンダイアローグという手法
高橋 オープンダイアローグは統合失調症の治療に使われる療法ですが、それ以外にも活用できるのでしょうか。たとえば、小学生や中学生の子どもとの親子間コミュニケーションでも使えるのでしょうか。
高橋 とても興味があります。具体的にはどのようにすればいいのですか? 親子間で聞く場合のコツを教えてください。
斎藤 時間にして、1時間〜1時間半くらい、話をしっかり聞いてください。その時に、複数メンバーがいた方が聞いてもらえた感じが深まります。
母と子の一対一ではなく、その他の家族や友達が参加するほうがいいですね。そもそも一対一は難しく、高いスキルが必要になります。特に親子関係のように、力の関係がはっきりある場合はそれだけでも難しい。また親子では関係が近すぎるために、見えなくなってしまう面があると思うのです。たとえば他人の子どもなら気づくのに、自分の子どもの成長には気づきづらい経験がある方は多いでしょう。
そこで、第三者に入ってもらうと、視点が変わり、色々なことに気づきやすくなります。普段と違うところに目が向きやすくなるわけです。権力関係があると助言や感想が命令に聞こえたりしてこじれやすいので、その意味でも、色々な人が入るほど関係性がフラットに近づくのでいいですね。
これに加えて、「リフレクティング」という手法があります。例えて言えば、クライアントの前で専門家どうしがクライアントの噂話をするような形を取ります。具体的には、クライアントの評価や今後の方針などを、専門家同士の対話のなかで話し合ってみせるのです。例えば「この人はこういうことをがんばっていると思う」とか「努力が及ばないときには治療を受けてみるのもいいのでは」などのように。人は自分について誰かが話し合っているのをなかなか無視できないものです。そのせいか面と向かって話す場合よりも、こちらの話をしっかり聞いてくれます。その応用で言えば、子どもの目の前で、両親が子どものがんばりを評価し合ったり、褒めたりしてもいいですね。普通にほめるよりも喜ばれると思います。
高橋 ただ褒められるより、「◯◯さんが褒めていたよ」などと第三者の言葉で褒められると嬉しいのと同じですね。