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vol.12 教科等横断型学習の開発
人工知能AIの劇的な進化と普及により、
現在の価値観が大きく変革していくことは言うまでもないだろう。
予測しがたい未来を担う子どもたちの学びは、
これからどう変わっていけばよいのだろうか。
文部科学省は、新たな価値を創造し社会の創り手となる人材として必要な資質・能力の育成に向け、
各教科等での学習を実社会での問題発見・解決に活かしていくための教科等横断的な学習を推進している。
教科等横断的な学習の推進に伴い「STEAM教育」の概念も広く知られるようになり、
教科連携や教科統合といった実践に取り組む学校現場も増えてきているようだ。
今回紹介する2 本の研究は、STEAM教育や教科等横断型学習の萌芽時期の実践的研究だ。
" 色"を切り口に各教科の連携学習をめざした「アート」×「ことば」
絵本の読み聞かせをきっかけに"ことば"の本質に気づかせる「日本語」×「英語」
教育現場における教科連携の方法や課題など、
読者にとっても学びになることが多い実践といえるのではないだろうか。№25 藤井 康子 氏
大分大学 教育学部初等中等教育コース(美術)准教授
№26 田中 真由美 氏
武庫川女子大学 文学部 英語グローバル学科 教授
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vol.11 多文化共生へのアプローチ
-外国にルーツをもつ子どもたち、家族への支援-「外国にルーツをもつ子どもたちは、支援されるだけの存在ではありません。」
今回のインタビューで得たこの指摘は、
外国ルーツの子どもたちへの支援に、新たな可能性を感じさせてくれる。
日本の学校では当たり前のことが、彼らにはどう見えているのか、どう感じているのか。
彼らの母語で、「学校」はなんと言うのか。
ことば、習慣、学校生活や家族との関係、日本と母国はどういうところが違うのか。
日本とは異なる言語、文化を有する子どもたちは、
母語話者にはもてない視点を提供してくれる貴重な存在でもあるのだ。
外国ルーツの子どもたちが抱えている困難はひとことでくくれるものではなく、
容易に解決できるものではないが、
地域住民やボランティア団体が学校や専門家たちと連携してタッグを組み、
多言語多文化共生への取組みが、あちこちで芽吹き育っている報告は着実に増えている。
外国ルーツの子どもたちやその保護者が、日本の学校になじみ、
安心して生活できるようになるために、わたしたちに何ができるのか。
多文化共生へのアプローチを試みた研究を紹介する。№23 李 暁燕 氏
九州大学 共創学部 准教授
№24 松井 かおり 氏
朝日大学 保健医療学部 健康スポーツ科学科 教授(英語教育)留学生別科 別科長
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vol.10 聴覚障がい児への言語習得支援
聞こえにハンディのある子どもたちが、ことばを習得することの困難さは想像に難くない。
2020年度から小学校で外国語教育が全面実施されたが
聴覚に障がいのある子どもたちは、英語を「聞く」「話す」「読む」「書く」といった力を
どのように身につけていくのか。
学習場面でもタブレット端末やパソコン利用が当たり前になった現在、
正確な文字入力ができないと、正しく漢字変換されず、書きことばでのコミュニケーションに支障をきたすことになる。
漢字の読み書きを、聴覚に障がいのある子どもたちはどれくらい習得できているのだろう。
聴覚障がい児のことばの習得を、
子どもの発達や成長に寄り添いながら日々支援する現場教員たち。
子どもと指導教員が織りなす言語生活の生の姿。
実践へつながるヒントに満ちた研究を紹介する。№21 河合 裕美氏
神田外語大学 児童英語教育研究センター 副センター長 准教授
№22 茂木 成友氏
東北福祉大学 教育学部 教育学科 講師
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vol.9 実践をとおして掴む
障がいのあるこどもたちへの支援をテーマにした研究は毎年いくつか採択されているが、
今号でピックアップした助成研究のキーワードは「こどもたち自ら」だ。
自助、自立、自主的、主体的、といわれる力や態度を身につけるには、
どういう教育的手法が効果的なのだろう。
障がいのあるこどもたちへの支援や合理的配慮は当然だが、
そこに「自ら」の力が加われば、
いま以上に成長できる、学ぶことがもっと楽しくなる。
こどもたちの力の芽を育むために開発した教育プログラムやICT教材の効果について、
実践をとおして掴んだ成果をご紹介する。№19 堀 清和氏
兵庫医科大学 公衆衛生学講座 研究員
№20 藤井 裕士氏
岡山県立岡山聾学校 幼稚部 教諭
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vol.8 「言語活動の充実」に寄与する授業実践
言葉の力をはぐくむ学校教育を担うのは、国語科だけとは限らない。今春、小学校で全面実施となった新学習指導要領においても、
「言語能力の確実な育成」をめざすために、「学習の基盤としての
各教科等における言語活動の充実」が明示されている。
では国語科以外の教科の中で、どんな言語教育が可能なのだろうか。
今回は美術科と学校図書館の試みを紹介する。No.17 臼井 昭子氏
山形大学 産学連携准教授
No.18 桑田 てるみ氏
国士舘大学 21世紀アジア学部 教授
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vol.7 ことばの力
―ことばの力を育成する教育実践とは―SNSの発達やAIの進化によって時代の変容は加速度を増し、
予測できない未来を生き抜く力を求められる子どもたち。
これからの子どもたちに必要な「ことばの力」とはどのようなもので、
その力はどういった教育実践で可能になるのだろう。No.15 高橋 薫氏
早稲田大学 人間科学学術院 准教授
No.16 岸野 麻衣氏
福井大学 連合教職大学院 准教授
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vol.6 日本語教育を考える
―日本語非母語話者・児の視点から見えてくるもの―日本には、日本語を母語としない人たちが少なからず住んでいる。
海外から日本にやって来て働く人や留学生、
親に連れられ日本で暮らすようになった子どもたち。
大人も子どもも、彼らに共通しているのは、
海外にルーツを持ち母語が日本語ではない、ということだ。
日本に住む非母語話者・児にとって、日本語を学習する際にはどのような困難があるのだろうか。No.13 金 愛蘭氏
広島大学 大学院教育学研究科 日本語教育学講座 准教授
No.14 櫻井 千穂氏
同志社大学 日本語・日本文化教育センター 准教授
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vol.5 当事者の思いに耳を傾ける
―不安を解消し、健康的に過ごしていくための支援―今回は「支援を担う側も支援を必要とする当事者である」という考え方を基底に持った研究をご紹介する。
普通に食べる、普通に学校に行く、普通に生活する、
この当たり前のことが叶えられていない子どもたちが本当に必要としている支援はいったい何なのか。
彼らを支える大人たちにはどんなサポートが必要なのか。
「当事者」とは、いったい誰のことをいうのか。
読者のみなさんにも「当事者意識」を感じながら読んでもらえたら幸いだ。No.11 田部 絢子氏
立命館大学 産業社会学部 准教授
No.12 涌水 理恵氏
筑波大学 医学医療系 保健医療学域 発達支援看護学 准教授
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vol.4 まばたきで言葉をつむぐ、手話で想いを伝える
―コミュニケーション支援―友だちと、いま流行りのゲームの話題で盛りあがる。
先生に「おなかが痛いので保健室に行っていいですか」と自分の状態や、
こうしたいという要求を伝える。
音声でことばを発する子どもには当たり前にできるこれらのことが、できない子どもたちがいる。No.09 鳥居 一平氏
愛知工業大学 情報科学部 情報科学科 教授
No.10 武居 渡氏
金沢大学 人間社会研究域 学校教育系 教授
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vol.3 進化する授業
―子どもたちの思考を深め、理解力をはぐくむ授業とは―日本の子どもたちが一日の大半を過ごす場所、学校。
学校生活の中心はさまざまなことを学習する時間、つまり授業だ。
自分が子どもだったころの授業風景、あなたはどんなシーンを思い浮かべるだろうか。
印象に残っている先生はどんな先生だろう。
この3月、およそ10年ぶりに全面改訂された学習指導要領が文部科学省から告示された。No.07 鈴木 一成氏
東洋大学 文学部 教育学科 准教授
No.08 寺本 貴啓氏
國學院大學 人間開発学部 初等教育学科 准教授
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vol.2 読書を科学する
読書をすればことばの力が伸びる -- 。
多くの人が素朴に信じていることだが、実は日本語においては未だ科学的に証明されてはいない。
読書とことばの力の関係は、海外、特に英語圏では多くの研究が積み上げられ、
読書量が多い人は語彙力も高い、という関係性は明白なものとされているという。No.05 猪原 敬介氏
日本学術振興会 特別研究員 PD
No.06 常深 浩平氏
いわき短期大学 幼児教育科 専任講師
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vol.1 [特集] 読み書き障害をかかえた子どもたち --
発達性ディスレクシア今回は、ことばの読み書きに困難のある「発達性ディスレクシア」(以下、ディスレクシア)に関する研究をご紹介する。19世紀末にイギリスの精神科医が、ディスレクシアの少年の症例を報告して以来、英語圏ではさかんに研究が行われてきた。
No.01 原 惠子氏
上智大学 大学院言語科学研究科 准教授
No.02 奥村 智人氏
大阪医科大学LDセンター 技術職員 オプトメトリスト
No.03 三盃 亜美氏
大阪教育大学 教育学部 特別支援教育講座 講師
No.04 関 あゆみ氏
北海道大学大学院 教育学研究院 准教授