博報賞

活動タイトル

ホタルの里づくりを通した自然環境保護活動

兵庫 淑子

日本文化・ふるさと共創教育|功労賞| キーワード:宮城県
兵庫 淑子

活動内容

ふるさとの地域環境を親子の飼育・観察経験で見直す「ホタルの里親」事業

受賞者は、「仙台市ほたるの里づくり協議会」の理事を務める。2008年頃から長年にわたりホタルの保護活動を行っている。多くの子どもたちや保護者に自然環境保護に対して関心をもってもらいたいと思うようになってからは、ホタルが飛翔する時期に現地で親子観察会を実施している。2017年には「里親の会」を開催して、これまで以上にホタルに関心をもつ子どもが増えるように工夫した。ベランダで卵から育てたホタルの幼虫を10月まで育ててもらえる親子に配っている。受賞者は保護司である。里親制度をホタルの幼虫の飼育へ応用して、中心的な役割を果たしている。このやり方で幼虫を譲り受けた親子は、半年間それぞれの家庭で、ホタルの里親として大切に幼虫を育てるようになる。ホタルの幼虫がさなぎになる4月、里親になってもらった親子と一緒に、川へ放流する。6月には親子観察会を実施して、自分たちの育てたホタルの幼虫が成虫として飛び回っている様子を観察する。これにより自然環境を守ることの大切さを親子が自然と学ぶようになる。2018年の「里親の会」を開催した際には、ホタルの生息地に近い学校からの要請を受けてゲストティーチャーを務めた。ホタルの生態やホタルが飛びかう生息環境について話をした。現地では子どもたちが積極的に清掃活動を行うようになってきている。

【写真】
手のひらにのせた幼虫について感想を聞いている兵庫氏

審査委員より

保護司である受賞者は、里親制度を構築し、ホタルの幼虫を育てる輪を広げる仕組みにつなげる工夫をしている。自ら育てたホタルの幼虫を一定期間、里親となって親子に育ててもらいさなぎを川に放つことで、環境やふるさとである地域を思うようになる。この「里親の会」に所属する受賞者は、清掃活動にまでつなげる社会教育活動を進めており、功労賞に値する。「仙台市ほたるの里づくり協議会」の前身である「定義ホタルの里づくり実行委員会」は、1998年前後から活動を始めている。これまで長期間にわたって継続している点からも、ふさわしい賞であると考える。

プロフィール

兵庫 淑子

【所属先役職】
仙台市ほたるの里づくり協議会 理事

【活動開始時期】
1998年

【団体所在地】
宮城県仙台市青葉区

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体50名(小学生相当30名、中学生相当5名、その他15名)
○指導者:内部2名、外部2名
○協力者(ボランティア等):3名
○開催ペース:「ホタルの里親の会」は年2回