博報賞

活動タイトル

貧困による教育格差をなくし全ての子どもの学ぶ権利を保障する学習支援事業

一般社団法人ぎふ学習支援ネットワーク

独創性と先駆性を兼ね備えた教育活動|博報賞| キーワード:岐阜県
一般社団法人ぎふ学習支援ネットワーク

活動内容

貧困や教育格差の解消に取り組む民間のネットワーク事業

岐阜県内で活動する12の民間団体がネットワークを組み、さまざまな困難を抱える子どもたちを対象に、地域で無償の学習支援を行ってきた活動である。支援対象は、生活困窮世帯の子どもたちや、外国籍保護者世帯の子ども、東日本大震災の避難児、障がい児、不登校・ひきこもり者、ヤングケアラーなど幅広い。
子ども食堂や居場所づくり、生活支援や訪問支援などの包括的な支援の中に学習支援を位置づけ、総合的・包括的・長期的な支援を行う点に特徴がある。参加団体がそれぞれの活動を行うが、ネットワークとして代表者による理事会を毎月開き、情報の共有や活動推進を行う。また、岐阜市生活福祉課の「寄り添い型学習支援事業」の委託を受け、個々の団体が各地で事業を実施するなど、県や市、学校などさまざまな公的機関とも連携しながら多彩な活動も展開している。
活動開始前の2013年までは、岐阜県は生活保護世帯の高校進学率が全国最下位だったが、現在では全国平均を上回るようになり、ぎふ学習支援ネットワークの支援を受けて毎年30人以上の中学生が高校進学を果たすようになった。学校や行政機関と連携しつつ、24時間365日、切れ目無く子どもからのSOSを受け止める体制をつくり、つながり続け、地域で見守り支え続ける体制が構築されている。

【写真】
学習の様子:マンツーマンで寄り添い型学習支援

審査委員より

学習支援は生活支援と両輪でこそ機能することを示す貴重な実践である。子どもの7人に一人が貧困といわれる格差社会が大きな問題になる中で、各支援団体をネットワーク化することで子どもの学習や高校進学を包括的に支え、行政とも連携しながら岐阜県全体に学習保障のセーフティネットを構築している点が素晴らしい。特に、普段から子どもに顔の見える信頼関係をさまざまなかたちで構築することによって、長期間の継続的な支援を実現している点や、家庭訪問してアウトリーチ型の学習支援で高校進学率を上げている点などが、高く評価された。

プロフィール

一般社団法人ぎふ学習支援ネットワーク

【代表者】
南出 吉祥

【役 職】
代表理事

【活動開始時期】
2014年

【団体所在地】
岐阜県岐阜市

【HP】
https://gifugakushusien.qloba.com/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体300名(小学生相当100名、中学生相当100名、その他100名)
○指導者:内部100名
〇協力者(ボランティア等):200名
○開催ペースやクラス数:毎週月~土曜日まで岐阜・西濃圏域で毎日どこかで子どもの学習支援室を開催。
12団体で毎週合計20学習支援室を開催(支援室によって週1~3回)