博報賞

活動タイトル

中学生にできる地域おこし ~地域と共に歩みながら学ぶ長谷中学校~

伊那市立長谷中学校

独創性と先駆性を兼ね備えた教育活動|博報賞| キーワード:長野県
伊那市立長谷中学校

活動内容

学校をコミュニティー拠点にして、地域を元気にする活動を展開

山間地域にあり全校生徒が31名の本校では、2015年から「学校と地域が一体となって子どもを育て、かつ、地域も元気になる活動」を推進。学校と地域、社会福祉協議会などが連携して「長谷学区支え合いの会」(信州型コミュニティスクール学校運営協議会)を立ち上げ、「学校が地域を結びつける礎となる」実践を行っている。
2016年には、地域住民を招いて花壇づくりや畑仕事をした後、和室に改修した宿直室で歓談する、月に一度の「長谷の縁側」を開始。保育園児や小学生を招いた「縁日」も開催するなど、企画・運営を担う生徒会が「地域の方に喜んでもらうアイデア」を練り、世代を超えた交流の場となっている。また、総合的な学習の時間に取り組む「長谷の太陽(ラー油)」の製造・販売は、地域の名産品をつくることを目的に始まった活動だ。原材料となる唐辛子栽培から、ラー油をつくり、販売するまでの活動を代々受け継ぎ、6次産業化まで担うことを通して、多様な職種の理解や働く意欲の育みにつなげている。
活動は受注が追いつかないまでに成長し、地域の高齢者や障がい者施設とも協働して、継続した取り組みを実現。地域住民にとって、学校に来ることは日常の一コマとなっており、互いに恩恵を享受し合える持続可能な活動として、地域の活性化を実現している。

【写真】
長谷の縁側5月、地域の方と唐辛子の定植作業

審査委員より

小規模の山間地にある中学校が、地域と一体となって取り組むことで、地域も元気になる活動を展開している。地域の人と共に実施するさまざまな教育活動は、学校で学ぶ生徒に確かな資質・能力を育成しているだけではなく、地域自体の活性化にもつながっている。また、そうした教育活動を支える交流の機会や場づくりが、地域コミュニティーの拠点としての学校の存在や機能を支えている。地域の高齢者が生き生きと学校に関わる姿が目に浮かぶ。こうして学んだ中学生が、地域の良さを実感し、地域の未来を真剣に考えていくのであろう。

プロフィール

伊那市立長谷中学校

【代表者】
島尻 英二

【役 職】
校長

【活動開始時期】
2015年

【団体所在地】
長野県伊那市

【HP】
http://www.ina-ngn.ed.jp/~hasechu/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:31名
○指導者数:内部15名
○協力者数(ボランティア等):35名
○開催ペースやクラス数:日常活動+月に1度の「長谷の縁側」、4学級(普通学級3、特別支援学級1)