博報賞

活動タイトル

生まれ育った自然環境を愛し、誇りに思う児童生徒の育成 ~動植物が教えてくれた石垣島の魅力~

石垣市立崎枝小中学校

日本文化・ふるさと共創教育|奨励賞| キーワード:沖縄県
石垣市立崎枝小中学校

活動内容

子どもたちの願いや疑問を始点に、島の将来の「あるべき姿」を考える教育

2015年から「学校を取り巻く豊かな自然」に焦点を当てた環境教育を、中学校理科教諭が中心となって企画・実践している。児童生徒は石垣島の環境の変化に関する情報を集め、「水質汚濁」「ロードキル(野生動物の交通事故)」「海水温度の上昇」など、社会的・現代的な課題に向き合い、体験的・探究的に学びながら、解決に向けた情報発信を行っている。
活動の始点にあるのは、「観光客が運転する車によるロードキルから希少動物を守りたい」「海水温度や二酸化炭素濃度の上昇は、石垣島の海洋生物にどのような影響を与えているのだろう」といった、子どもたちの願いや環境問題への疑問だ。研究・調査活動は、外部機関や地域の漁師の方の助言を得ながら進められ、「石垣島の河川の水質とそこに生息する生物調査」「崎枝地区周辺に生息する野生動物の調査」「シャコガイの産卵から養殖・放流」などを継続的に実施している。その成果は、シンポジウムでの発表の他、「崎枝地区に生息する動植物マップ」を近隣の飲食店に貼り出すなど、観光客への注意喚起にも役立てている。
調査・研究を進める中で、地域の豊かな自然や魅力に気づいた子どもたちは、科学的な探究心や新たな課題に向き合う力と、島の将来を考えて自ら行動する力を地域社会と一体となり育んでいる。

【写真】
シャコガイの授精を観察している様子

審査委員より

生徒は「観光開発」と「環境保全」の二項対立的な考え方から一歩踏み出して、科学的な考察を基にしながら、ふるさと石垣島の魅力を確認している。中学校理科教諭の指導により科学的な研究方法(調査、観察等)をとったESD教育によって、生徒は体験的・探究的に学ぶ姿勢を身につけ、活動に主体性が生まれて、さらに継続した取り組みになったと評価する。今後は是非とも、小中学校の良さを活かして、小学校低学年の生活科や中学年からの総合的な学習の時間と連携させて、9年間の一貫した環境への取り組みを深め、崎枝ブランドに対する想いを確かなものにしてほしい。

プロフィール

石垣市立崎枝小中学校

【代表者】
嘉良 寧

【役 職】
校長

【活動開始時期】
2015年

【団体所在地】
沖縄県石垣市

【HP】
http://www.ishigaki.ed.jp/sakieda-st/htdocs/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:全体30名(小学生20名、中学生10名)
○指導者数:内部2名、外部2名
○協力者数(ボランティア等):2名