博報賞

活動タイトル

ふるさと塾を通して学ぶ故郷の自然やそこに生きる人々の営みのたくましさ

西原村ふるさと塾プロジェクト

教育活性化部門|博報賞| キーワード:地域の活性化/まちづくりプラン/行政などへの提案/地域の担い手震災・災害熊本県
西原村ふるさと塾プロジェクト

活動内容

野山を駆け回り、自然とかかわりながらふるさとに親しむ

2006年に開講した「ふるさと塾」は、学校・地域・企業・教育委員会の連携による地域学習カリキュラムであり、「総合的な学習の時間」で活用されている。
風のエネルギーと大型発電用風車について学ぶ「風の子塾」やキャリア教育を行う「民の子塾」、総まとめとして気づきを村議会で述べる「志学塾」など、小学校3年生から中学校3年生までの6年間を通して、山や川で遊びながら自然を理解し、ふるさとに学ぶ。指導者は、高校教師や地元出身の高校生、NPO、教育委員会の社会教育担当など多彩で、多くの協力を得て活動を続けてきたが、2016年熊本地震により中止となる。
震災前は家にこもりゲームに熱中することも多かった子どもたちだが、震災後、低学年の子の面倒をみながら泥んこ遊びや昆虫採集などを先導する姿を見せるようになる。これにより活動の意義が見直され、2018年に一部を再開。子どもたちは手づかみで魚を捕り、ひび割れた大地に芽吹く植物と出合い、大地とたわむれながら自然を理解し、郷土愛を育んでいる。
自分ができることを見出しては実行し、自信を深め、さらに教え合う子どもたちの姿は、大人たちの復興への連帯感を深める一助ともなっている。

【写真】
小学校4年 河の子塾 故郷の川での活動

審査委員より

「ふるさと塾」の活動は、自然体験が不足している子どもたちに、ふるさとの自然を存分に体験する機会を用意し、ふるさとを愛する心が育まれることを期待して取り組まれてきた。地域と学校とが一体となって子どもを育成しようとする好ましい事例である。継続的な実践活動は、熊本地震での大きな被害を経験する中で、いっそうの必要性と重要性が再認識された。今後の活動としては、探究活動としての豊かな学びが、一人ひとりの子どもの学びとして確かに具現されることにも期待したい。

プロフィール

西原村ふるさと塾プロジェクト

【代表者】
吉田 光範

【役 職】
会長

【活動開始時期】
2006年

【団体所在地】
熊本県阿蘇郡西原村

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:417名(小学生292名、中学生125名) ○クラス数:16クラス ○指導者数:21名 ○協力者数(ボランティア、保護者等):約10名