博報賞

活動タイトル

網地島ふるさと楽好~限界集落の社会貢献 愛される記憶を子どもたちに~

網地島ふるさと楽好

教育活性化部門|博報賞| キーワード:ふるさとを創造する取組震災・災害宮城県
網地島ふるさと楽好

活動内容

温かな心の交流の島が、ふるさとのない子どもたちのふるさととなる

石巻市の網地島網地浜地区は、約70人のお年寄りばかりが住む限界集落だ。網地島ふるさと楽好は、児童虐待の報道を見た島民が、子どものために何かできないかと考え2006年に立ち上げた。以来毎年夏に、仙台市内の4つの児童養護施設の子どもたち約40名を無料招待している。バス代や船代などもお年寄りが工面し、海で捕った魚貝を持ち寄り、首都圏の学生ボランティアや島民の善意に支えられ継続してきた。
交流の背景には、虐待孤児や震災孤児たちに、大切にされ、愛される記憶を持ってもらいたいという想いと共に、将来自分の家族を持った際、温かな信頼関係を築く練習をしてほしいという願いが込められている。
子どもたちは島のお年寄りを先生に、島独自の魚釣りや料理、昔の遊びに喜々として取り組む。本当の家族のように過ごす中で、子どもたちは安心して自分の気持ちを素直に伝え、他者を思いやるなどの成長を見せてくれる。
惜別の後、子どもたちは楽しかった思い出や感謝を文章と絵で表現し、文集をつくる。子どもたちのことばと想いが詰まった文集や震災時に届いたたくさんの手紙は、島のお年寄りを励まし、震災後の復興に立ち向かう勇気や生きる希望にもつながっている。

【写真】
網地島独自のあなご抜きに挑戦中

審査委員より

高齢者ばかりの住む限界集落の網地島では、虐待等で親と暮らせなくなっている子どもや東日本大震災で両親を亡くした震災孤児と、地元に住むお年寄りとの交流活動を続けている。お年寄りは子どもの声に元気をもらい、子供たちは豊かな自然と愛情溢れる関わりを存分に体験させてもらう。島のおじいさんが釣ってきた魚をおばあさんと子供で料理し、共に食事をする。10年以上にわたる交流の継続が、子どもたちの確実な成長を具現している。また、本当の意味でのふるさとが、一人一人の子どもの心に形づくられている。

プロフィール

網地島(あじしま)ふるさと楽好(がっこう)

【代表者】
奥田 和慶

【役 職】
楽好長

【活動開始時期】
2006年

【団体所在地】
宮城県石巻市

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:1回あたり30~70名(小学生20~70名、中学生5~30名) ○指導者数:10~40名 ○首都圏等の大学生ボランティア等:25名